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安定期だからといって油断大敵!妊娠中期に『注意したい症状と対策』

安定期だからといって油断大敵!

妊娠して5ヵ月あたりになると、妊娠初期とはやや違った体調になってきます。これを妊娠中期症状といって、それまで苦しんできた『つわり』や精神的な不安も和らいできます。

それは子宮の中で胎盤がしっかりと形成されたこと、初期の流産リスクが軽減されること、自分が妊娠しているという状況に慣れてきたことが原因になっています。一般的に妊娠期の中で最も安定している時期だと言えるでしょう。

しかし、最も安定している妊娠中期にも要注意の症状がいろいろとあるものです。今回は、この点について詳しくチェックしていきます。

妊娠中期症状はいつから現れるの?

妊娠初期は15w6dまでとするのが一般的で、それ以降の妊娠5ヶ月目(16w0d)から7ヶ月(27w6d)までのことを妊娠中期としています。

妊娠初期では生理痛に見られないレベルの体調変化が起こって、妊娠初体験の方は体の変化に動揺させられてしまうものです。

その後もホルモン分泌の増加傾向は続きますから、非妊娠時とはまったく違う体調が継続する訳ですが、妊娠5か月あたりになると初期症状がかなり緩和されてきます。

妊婦さん毎に症状の度合いは違う

妊婦さん毎に症状の度合いは違いますが、既に出産を経験している方ならば、この妊娠中期はかなり平安な日々だと言うかもしれません。

この頃になると子宮は胎児を受け止めるだけの大きさに成長し、胎盤もほぼ完成します。そして母乳の準備も始まって乳房が少しずつ大きくなっていきます。

胎動を始める

胎児はお腹の中で胎動を始めます。これがお母さんへ愛情と幸福感を与えることから、それまでの不安感や苦しみが癒されてくるとも言えるでしょう。また胎児は耳が聞こえるようになりますので、外からの音に反応し始めます。

お母さんやお父さんが呼びかける声に応える場面も出てくるでしょう。このように自分の子供が健全に育っていく様を実感できるのが妊娠中期です。

しかし辛い症状が全くなくなるのかと言えばそうではありません。妊娠中期になると、大きく張りだしてくるお腹が何かと邪魔になり、動作が億劫になりがちです。

お腹が大きくなればなるほど成長を感じるけど確かに動くのがしんどいね。

歩く時のバランスが取り難いのも原因のひとつでしょう。気分転換に運動をすることをも大切ですが、誤って転倒すれば流産になってしまうこともあるので気をつけてください。

妊娠中期に悩まされる確率が高い症状と原因一覧

妊娠中期によく現われる症状をリストアップしてみましょう。項目の多くは妊娠初期症状で経験するもので、逆に言えば目新しいものは殆どありません。

また症状の度合いにも個人差があるので、強く出るものもあれば、全く実感しないものもあります。

  • 頻尿
  • イライラ感
  • 手足のむくみ
  • 微熱や咳など風邪のような症状
  • 便秘・痔
  • 腰痛
  • 腹部の締め付け感(お腹の張り)・腹痛・下腹部痛
  • 頭痛
  • 眠気・全身倦怠感(ダルい)
  • 胃痛・胸やけ
  • 味覚が変わる
  • 肌荒れ・ニキビ・皮膚の乾燥

ここに挙げた12症状は一応注意しておいてください。では、一つ一つ具体的に説明していきますので大体の内容を把握していきましょう。

頻尿

妊婦さんのお腹では胎児の成長に合わせて子宮が大きくなっていきます。子宮の中にはたっぷりの羊水も入っていますから、膨らんだ風船のように下腹部を圧迫していきます。

ここでワンポイントちなみに妊娠中期の胎児の大きさは妊娠5か月目で体重300グラム前後、身長は25センチ前後です。そして妊娠8ヶ月目になると身長は倍ぐらいの50cm、体重では5倍以上の1600g前後まで成長します。

子宮は十分な広さを確保するために膨らんでいきますし、その中には羊水もたっぷりと蓄えられています。

すると子宮に隣接している膀胱は慢性的に圧迫されます。つまり膀胱は押しつぶされた形になってしまって、充分に尿を貯め込む事が難しくなるのです。

平時であれば満タンになるまで尿意を感じなかったものが、妊娠中期になると半分も貯まらないうちに尿意を感じてトイレへ直行するようになります。

イライラ感

妊娠中はとかくイライラ感が募り易いものです。これは初期から出産まで起こり易い症状ととらえておくべきでしょう。では妊婦さんがイライラする原因は何でしょうか?

まずホルモン分泌量が急増することです。特に黄体ホルモン・プロゲステロンと卵胞ホルモン・エストロゲンという2種類の性ホルモンが大量に分泌されるために、自律神経が不安定になってイライラや情緒不安定の状態になります。涙もろくなるのもこれが原因です。

また妊娠中期に入るとお腹が大きく膨らみだします。すると胃腸が圧迫されて消化不良を起こしたり便秘が強く出たりしますし、腰痛・腹痛にも悩まされます。こういった体調変化に心が付いて行けずにイライラすることもあります。

手足のむくみ

妊娠中期にもなると、ソファーに座って長時間じっとしているだけで手足に軽いむくみとしびれが出ることがあります。

また朝起きて直ぐだと手が握れなかったり、足の指がパンパンになっていることも妊婦さんにはよくあるのです。手足のむくみが頻繁に現われるのは妊娠後期ですが、早い方では妊娠中期でもむくみに悩むケースがあるでしょう。

むくむ原因は母体の血液量が1.5倍に増加するからです。胎児の育成には大量の血液の循環が必要で、それを賄うために血液量が増えます。

ここでワンポイント血液は子宮に集中しやすいため、体の末端にあたる手足の血行不良が生じやすくなります。

血液が増加したとは言っても、増えているのは血液成分のうちの血漿(液体)だけです。赤血球や白血球などの血球量はそれ程多くなりません。

つまり血液が水っぽくなったと考えてください。そこで血行悪化で停滞しがちな手足部分では、血液から水分が体組織へと染み出すようになります。これがむくみの主な原因です。

それから妊娠中期では足のむくみが特に気になりますが、これは子宮が膨らんで下半身の血流を悪化させるからでもあります。また、この時期は妊婦さんの運動量が減りますから、それも血行悪化を進めてしまい、むくみの原因となります。

微熱や咳など風邪のような症状

妊娠中期症状として微熱が続くとか、風邪のような咳が出ることがあります。胎児の育成に母体のエネルギー代謝が上がっていますので、基礎体温はいつもよりは若干高いのが普通です。そこにきて妊娠中の様々な症状から、体調不良で熱を出す事もあります。

またホルモンバランスを大きく崩していれば、自律神経が乱れて体温調整がうまくいかない事があります。これらが原因で熱や咳が出ている場合、むやみに市販の薬を服用するのは問題でしょう。

薬には副作用が付き物で、胎児に悪影響を与える可能性があります。もし対応が必要な場合は担当医に診察してもらうようにおすすめします。

注意してね!妊娠中は免疫が低下しがちで、ちょっとした菌やウイルスに感染しても発熱などを起こします。

感染病となれば、胎児へ菌やウイルスが入り込むと非常に危険ですから、事前に防がなければなりません。熱が出た場合の対応としては、おおよそ38℃を目安にして病院へ行くようにしてみてください。

妊娠中期症状の微熱であれば安静にしていれば治まりますが、感染症の発熱は放置しておくと菌の増殖で胎児に危険が及びますので要注意です。

便秘・痔

多くの女性が日頃から便秘に悩まされていますが、妊娠症状でも便秘はよく見られます。妊娠中の便秘の原因には、まず子宮による腸の圧迫があります。

妊娠中期以降は胎児もかなりの大きさになり、子宮もそれにつれて大きく膨らんでいきます。すると腸が慢性的に子宮に圧迫される状態となるのです。

実は便意は、肛門付近に便が到達した時の圧迫をサインに催すシステムで、妊娠によって子宮が膨らめば、子宮からの圧迫がサインを打ち消してしまいます。これによって便意が生じずに、そのままチャンスを逸してしまい便秘になってしまうのでしょう。

ホルモンバランスの乱れも原因のひとつ

ホルモンバランスの乱れで自律神経が不安定になり、腸の蠕動(ぜんどう)運動が弱くなる事も便秘の原因です。ほかにも妊娠中期では運動不足も目立ちますから、余計に腸の運動は低下しがちでしょう。

そして便秘の時は、トイレで強く踏ん張るようになります。固くなった便が肛門を傷つけてしまうため、痔になる方が多いのです。妊娠中期からは、この便秘と痔の両方のケアが大事になります。

腰痛

身重になった体で生活をしていますと、何をするにつけても体のバランスを崩しやすくなります。

妊娠中期には胎児が1500g以上になりますので、お腹の前部分に重心が移ってしまうのです。ですから、ちょっと前のめりの耐性を取ると、そのまま頭から転んでしまう危険があります。

もちろんお母さんは胎児を守るために、絶えず足腰に力を入れて体制を維持していますから、それが大きな負担となって腰痛が起こるのです。

妊娠時のホルモン分泌が原因の場合もある

妊娠時のホルモン分泌では、特に関節やじん帯を緩める働きをするリラキシンが大量に分泌されます。これは大きくなっていく子宮が骨盤に収まるようにするためと、産道を広げやすくするため、あるいは身重の体を柔軟にして動きをスムーズにするためでもあります。

しかし、このホルモンによって骨盤が緩んでしまえば、足腰を踏ん張る時の腰の力が発揮しにくくなります。つまり余計に腰の負担が増えるということです。腰の負担は、そのまま関節やじん帯・筋肉に掛かって行きますから、それが腰痛を悪化させる原因となります。

腹部の締め付け感(お腹の張り)・腹痛・下腹部痛

妊娠中期ごろからお腹がポンと張り出してきます。子宮の中には羊水がたっぷりと詰まっていますので、普通にしていてもお腹の張りが苦しく感じるものです。この腹部の締め付け感も妊娠中期の症状です。

下腹部痛を感じる事もあります。これは急に膀胱附近が痛みだして、ちょっとの間腹部がカチカチに固まってしまう時に起こります。

平時であれば数分で緩んでいくのですが、長時間継続する場合は、常位胎盤早期剥離や卵巣嚢腫(のうしゅ)の茎捻転や子宮筋腫などが心配されますので、すぐに担当医に診てもらいましょう。

腹痛が起こる原因

腹痛が起こる原因ですが、多くは前駆陣痛があります。この時期から子宮の収縮が不規則に起こりますので、不定期にお腹が張ったり、腹痛を起こしたりするようになるのです。

他の原因としては便秘や下痢もあります。頻繁に下痢をして子宮収縮が強く出る場合も病院へ行きましょう。また胎児が胎動を始める頃ですから、足でお腹を蹴られたり、頭突きをしたりしてもお腹が痛くなります。

頭痛

妊娠中期症状として起こる頭痛は、主に緊張性頭痛があります。これは首・肩のコリや腰痛がもとで起こる頭痛です。一つには妊娠中期からはじまる乳房の成長があります。

大きくなっていく乳房の重みで慢性的に首や肩のコリが酷くなるのです。それから成長した胎児の重さで下半身のバランスがとり難くなり、それで腰痛になるのですが、それが頭痛を引き起こす場合もあります。

他にもホルモン分泌の増加によって偏頭痛が起こっているケースもあります。

ホルモン分泌の増加

妊娠時は血液量が1.5倍にまで増量されて、子宮内の胎児に集中するのですが、血行をアップさせるためにいくつかのホルモンが全身の血管が拡張されるように働きます。

これは頭部や脳内でも同様で、血管拡張で脳内に多くの血液が集中すれば、その圧迫で偏頭痛が生じることになるでしょう。

基本的に頭痛は長時間継続しませんが、しつこい頭痛に襲われた場合は適切な処置をしましょう。この際に自己判断で薬を飲むのはNGです。必ず担当医に診てもらう様におすすめします。

眠気・全身倦怠感(ダルい)

体が安定する妊娠中期では、眠気や倦怠感でぼんやりとする事も多くなります。ホルモンの関係で我慢できない睡魔(眠りつわり)に襲われる人も少なくありません。

妊娠中期では職場で働いている方も多く、日中に急激な睡魔に襲われたり、体がダルくて仕事にならないことがあるので注意してください。

眠気や倦怠感の原因

この眠気や倦怠感の原因は、主にホルモン分泌の増加による眠りつわりです。活発に分泌されるプロゲステロンは副作用に睡眠作用を発揮します。睡眠薬に匹敵する強烈な成分ですので、例え仕事中でも眠くなってしまうのです。

また、妊娠中の血液量の急増が原因になります。しかし増加するのは血漿(液体)だけで、血球はほとんど増えません。血液量に対して赤血球の量が少ないために、脳への酸素供給量が減ってしまい、いわゆる貧血状態として眠気やダルさを引き起こすのです。

そしてもうひとつ、胎動が始まって胎児の成長を実感する事の安堵感も原因です。それまでの不安と緊張が緩んで眠気やダルさを起こさせると言います。

胃痛・胸やけ

妊娠中期は安定期で比較的過ごしやすいとされていますが、やはり妊娠症状に悩まされるものです。よく見られる症状に胃痛や胃もたれ、胸やけがあります。この症状は妊娠初期から見られるために、多くの方が妊娠中を通して悩む症状と言えるでしょう。

胃痛や胸やけの原因の一つは、食欲増進で食べ過ぎてしまうことがあります。この時期の胎児は多くの栄養を必要としているために、お母さんはいつもよりたくさんの食事を摂らなければいけません。

また辛い吐き気や頭痛などのつわり症状が治まってきますので、つい食べ過ぎてしまうことがあります。体の方はプロゲステロンの影響で消化が低下したままですから、胃が消化しきれなくて胃痛や胸やけになるのです。

子宮の成長が原因の場合もある

他にも子宮の成長が胃を圧迫することで胃痛が起きます。膨らんだ子宮が下から胃を押し上げるので、胃酸が逆流しやすくなります。それでゲップが良く出るようになり、胃酸のせいで胸やけが強くなるでしょう。

こうして妊娠中期では胃痛や胃もたれなどに加えて、胃腸のトラブルが目立つ様になります。

味覚が変わる

妊娠中にはよくスッパイものが食べたくなると言いますが、これは妊娠症状のひとつの味覚の変化です。この症状はつわりの酷い妊娠初期に現れるのですが、中期になっても現れることがあります。

妊娠中に味覚の変化が起こる原因には、ホルモン分泌が増加すること、そして妊娠によってカロリー摂取量が増えることがあります。ただし、医学的には原因がはっきりとしていません。

考えられる原因

具体的には、ホルモン分泌が増加すると味覚神経に影響が出ます。ホルモンには神経伝達物質という役割があり、ある意味で味覚神経が過敏になったり、反対ある味に対しては鈍感になることもあります。味の好みが変わるのもこのせいでしょう。

それから妊娠中期になるとつわりなどの辛い症状が緩和しますので、一気に食欲が増していきます。それでカロリー摂取量が増えて、味覚に影響が出るとも考えられています。

ただし必要以上の食事はNGです。この時は胃腸の調子も良くないことが多いため、体調を考えながら食事をすると良いでしょう。

肌荒れ・ニキビ・皮膚の乾燥

女性が妊娠中にもっとも気になる症状といえば、やはり肌荒れ・ニキビ・吹き出物といった肌トラブルでしょう。妊娠初期には免疫低下などからくるニキビや肌荒れに悩む方が急増します。または妊娠中を通して肌の乾燥に悩む方も少なくありません。

それら肌トラブルの原因としては、やはりホルモン分泌の変化があります。妊娠中はずっとエストロゲンとプロゲステロンが盛んに分泌されています。

皮脂の落としすぎに注意

エストロゲンは肌を瑞々しく保つ働きがありますが、プロゲステロンは皮脂分泌を活発化させるために、毛穴などが角質カスで詰まってしまい、そこにニキビや吹き出物が発生しやすいのです。

過剰に皮脂が分泌すれば、それを落とそうと懸命に洗顔をするのが女性心理です。この洗い過ぎが乾燥肌の原因となります。

妊娠中の免疫力低下に注意

最も問題なのが、妊娠中の免疫力の低下でしょう。

ホルモンバランスの乱れは免疫細胞の不活化を生みますし、妊婦さんは激しいつわりや便秘やストレスなどでも免疫低下を起こしがちです。肌バリア力が落ちれば肌荒れはすぐに始まります。

妊娠中期の体重増加と管理(BMI)

妊娠中期で注意をしておきたいのが体重管理です。妊娠5か月目あたりからは、つわりなどの酷い症状が緩和してきて精神的にも少し楽になります。

また同時に胎児がかなり成長してきますから、お母さんはそれまで以上に食事を摂って赤ちゃんを養っていかなければなりません。その為に、つい食べ過ぎてしまって必要以上の体重増加をしてしまいがちです。

とは言いましても、現代の傾向では『痩せすぎ妊婦さん』も増えていて、胎児に悪影響を与えているとも心配されています。そこで肝心になってくるのが体重管理(BMI)です。妊娠中期の妊婦さんの体重の許容範囲を知っておくことがポイントとなります。

体重増加のチェックはBMIで

妊婦さんの体重増加の理想値をBMIでチェックすることができます。妊娠による体重増加の要因としては、まず胎児の体重が3kg前後、胎盤が500gで羊水も500gほど溜まります。

その他に子宮や乳房に、1.5倍になる血液や水分・脂肪分で3~8kgが加算されて、トータルで7~12kgの体重増加が起こります。つまり妊娠前の体重に対して10Kg前後増えると思っておけば良いでしょう。

ここでワンポイント

自分のBMIをチェックする計算式は以下の通りです。

妊娠前の体重(kg)÷[身長(m)×身長(m)]

例えば身長160cmで体重48kgの方なら、BMI値は約18.75となります。ちなみに痩せ体型はBMI18.5未満、普通の方は18.5~25.0未満、肥満の場合は25.0以上と設定されています。

ではBMI値から見る妊婦さんの理想的な体重増加は?と言いますと、厚生労働省が推奨する数値は以下の通りです。

やせ型の方 9~12kg(小さい数値は妊娠中期・大きい数値は妊娠後期)
普通の体型の方 7~12kg(小さい数値は妊娠中期・大きい数値は妊娠後期)
肥満の方 医師の判断を参考とする

※通常はこの範囲内での体重増加は問題ありません。

妊娠中期になってもつわり(吐き気)が続く人もいる

つわりは妊娠初期に多く見られる症状で、妊娠中期に弱まるのが一般的です。ですが、人によっては妊娠中期でもつわりに悩むケースがあります。

妊娠中期の吐きつわりの原因はやはりホルモンの影響で、特に黄体ホルモン・プロゲステロンの増加によります。このホルモンは腸の蠕動を抑えて消化吸収を邪魔する副作用があります。

これによって便秘が酷くなり、異常に腸管ガスが溜まってゲップや吐き気を催させるのです。また消化不良で胃の中にいつまでも食べ物が滞ると、むかつきや吐き気を催してしまうでしょう。この症状は胎盤が完成する妊娠後期まで継続します。

胎児の成長が原因でつわりが起きることもある

胎児が成長する事でもつわり症状が起こります。妊娠中期になるとお腹が大きく膨らみだしますが、その状態は胃まで圧迫していることになります。

胃が下から押し上げられる格好になり、じっとしていても胃がムカついたり、食べたものが逆流する嫌な感じを受けるものです。そして便秘でもつわりは起こります。

この時期につわり症状が出た場合の対策ですが、基本的に吐き気を感じにくい料理を食べましょう。炊いたご飯の匂いや味が嫌いな方は、パンにするとか麺類を中心にしても良いでしょう。

注意してね!肉などの脂っこいものは胃もたれの原因になるので、なるべく消化の良いメニューにしてください。

小分けに食事を摂るのも効果的です。1日5回とか6回に分けてちょっとずつ食べれば、吐き気やむかつきを抑えることができるかもしれません。味付けも薄口に変えると食べやすくなります。

それから体操やストレッチ、ヨガを習慣化して胃腸の働きを促進すると楽になりますし、便秘解消にも有効です。他にもいろいろと対策があるので、ご自分でもチェックしてみてください。

「下肢静止不能症候群(むずむず脚症候群)」

妊婦さんの5人に1人が経験するというむずむず脚症候群(下肢静止不能症候群)は十分に気を付けてください。これは脚が火照ったり、ムズムズしたり、痛くて眠れなくなったり、たまらなく痒くなったりする症状です。

この症状の原因は、まず体内の鉄分含有量が不足することとされています。鉄分がなぜ重要かと言いますと、実は鉄分(ヘム鉄)が血液中の赤血球・ヘモグロビンとくっ付いて、それで各細胞に酸素を送っているからです。

つまり鉄分が不足すると赤血球の生成量が低下して、脳内ホルモンのドーパミン生成が低下し、結果として筋肉の緊張異常が起こります。これが脚にシビレや火照りの症状として現われるのです。

普段の食事で鉄分は足りていないの?意識して摂ったほうがいい?

厚生労働省の情報によると、妊娠中期に鉄分を不足している方がたくさんいます。不足分がとても多いため、普段鉄分を意識して摂っていないのであれば、意識して摂りましょう。もし、難しいのであれば鉄分を含んだ葉酸サプリがおすすめです。

妊婦さんは子宮が大きくなると下半身の血行が悪化します。そこに酸素供給が低下すれば、酸欠状態の脚はむずむず脚症候群になってしまうでしょう。

他にも脊髄圧迫も原因となります。胎児の成長で子宮周りが非常に重たくなっていきます。すると脊髄が圧迫され、椎間板ヘルニアなど症状を生じます。これが脚の神経系を圧迫してむずむず脚症候群を起こしているとされているのです。

むずむず脚症候群の対処法

むずむず脚症候群の対処法ですが、まず鉄分の摂取を注意しましょう。食事から十分に摂取できない方はサプリメントの利用が有効です。また、ビタミンCを摂取すると鉄分の吸収率が上がります。

そして下半身マッサージやヨガ・ストレッチを習慣化させて、できる限り歩くようにしてみましょう。こうして下半身の血行を良くしておくのも効果があります。

妊娠中期は葉酸&鉄摂取が重要

これまでの説明で、妊娠中期では鉄分の摂取が重要であると分かっていただけたと思います。厚生労働省の推奨では、毎日21mg/日以上の鉄分を摂るように促されています。これは妊娠中期にもなれば胎児の成長が著しく、母体の血液量が1.5倍にもなるからです。

鉄分は酸素を各細胞組織に分配する運び屋の働きをしていて、母子共に生命維持には欠かせない成分です。しかし普段の摂取量は7mgにも届かないとされています。

また妊娠中の葉酸摂取の重要性も、厚生労働省の推奨事項をチェックすると見えてくるでしょう。胎児の神経性の先天性異常を回避するために、毎日400μg以上の摂るようにと勧めています。

妊娠中期は葉酸と鉄分を摂ることが大切

葉酸を意識するのは妊娠期がもっとも顕著で、平時に積極的に摂取することはありません。また鉄分に関しても、日頃鉄分不足だからと心配する機会は少ないでしょう。

そういった理由から、いざ妊娠をして葉酸や鉄分は欠かさないように摂取しましょうと言われても、実際にどうやって摂取すれば良いのか戸惑ってしまうものです。

注意してね!ちなみに葉酸と鉄分の2つの栄養素は食べ物のままで摂取しても、条件が揃わないと吸収率が低くなってしまう問題があります。たとえば葉酸は調理してしまうと半分が失われてしまうのです。

厚生省が推奨する方法として、葉酸サプリの服用があります。葉酸は毎日400μg以上鉄分は10mg以上を摂取できるサプリを利用することで問題が解決します。ポイントはそれぞれの含有量と、吸収率を高めるビタミンAやビタミンCの含有量です。

全て一セットになっていればベストです。葉酸や鉄分、ビタミンA・Cも適量を摂取すべき栄養分ですが、過不足なく摂取するには良質のサプリメントでコントロールすると安心です。

葉酸サプリが良いのはわかったんだけど、鉄分と葉酸が十分に摂れるサプリってあるの?

あります。葉酸サプリには妊娠中期・後期向けに作られた「プレミン16w」があります。また、全期間通して飲み続けることができる「メルミー葉酸サプリ」もあります。どちらも安全性が高く栄養成分も豊富なのでおすすめです。

まとめ

妊娠中期の安定期でも、やはり妊婦さんには困難な症状が起こります。時には妊娠初期症状よりも重たい症状で悩まされる事も少なくありません。

そういった症状の原因をある程度理解しておき、更に出来得る対策を取るのであれば、もう少し妊娠生活をスムーズに過ごせるかもしれません。

妊娠中期は安定期でも油断してはならない

この時期は、日に日に身重になっていく母体と、成長著しい胎児の体の変化が原因で、思わぬ体調異常をもたらします。

重たくなった体がコントロールできずに腰痛やストレスを抱えたり、発達する乳房に肩こりが酷くなったり、脚の血行不良などでムズムズ症候群になったりと、妊婦さんにとってはなかなか安心できる局面ではないかもしれません。

今回ご紹介した妊娠中期症状と、その対処方法などを把握しておくようにおすすめします。

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特に不足しがちな栄養は、葉酸サプリを利用して過不足なく摂取するのが賢明です。そういった小さなケアのひとつひとつが、今後の赤ちゃんの健康を大きく左右しますので、その点も十分にご注意ください。

  • 妊娠中期の症状は妊娠5ヶ月目(16w0d)から7ヶ月(27w6d)に現れる
  • 人によって現れる症状と度合いは違い、小さなケアが大切
  • 妊娠中期になってもつわりが続くこともある
  • 妊娠中期は食欲が増加するため体重管理が大切
  • 葉酸と鉄分が不足しやすく葉酸サプリで補うのがおすすめ