葉酸サプリは健康な赤ちゃんを生むために必要だということは有名ですが、「いつから飲み始めたらいいのか」具体的に知っている女性は多くありません。
妊娠中に飲むといっても出産まで10月10日といわれるほど長いので、いつ飲むべきかわかりづらいですよね。また、食事だけでは満足に摂ることができないので葉酸サプリを摂取するのですが、どうせなら効率よく摂取したいですよね。
そこで今回は、葉酸サプリはいつから飲み始めるべきか、効率よく飲むためにはどうすればいいのか解説していこうと思います。注意点もあるのでぜひ、参考にしていってください。
葉酸はいつからいつまで飲むべき?
葉酸は母子手帳から知ったり、担当の医師からはじめて教えてもらったりすることから、妊娠中に摂るべきものだというイメージがあると思いますが、実は違います。
葉酸は妊娠前から摂るべき栄養素です。「妊娠前から摂って意味はあるの?」と思うかもしれませんが、神経管閉鎖障害と呼ばれる先天異常のリスクを低減するためにも妊娠前から摂る必要があるのです。
先天異常の多くは妊娠直後から妊娠10週以前に発生しており、特に中枢神経系は妊娠7週未満に発生することが知られている。
厚生労働省によると、神経管閉鎖障害などの先天異常は妊娠10週まで、中枢神経系の異常なら7週までの間に発生するといわれています。
この時期に妊娠に気づけている人は少なく、「妊娠したと気づいた」もしくは「妊娠の疑いがある」で産婦人科に訪れた頃にはもう遅いのです。
そのため、厚生労働省は妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヵ月までは葉酸の摂取を推奨しています。
「いつまで飲むべきか」ですが、基本的には産後、赤ちゃんが離乳食になるまでは必要だと考えています。
上記で厚生労働省は妊娠3ヶ月までと言っていますが、それはあくまで神経管閉鎖障害のリスク低減のためです。
同じように厚生労働省が報道発表している「日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要」では、授乳婦までプラスして摂るように書かれています。
妊活・妊娠初期 | |
---|---|
食事 | 240μg |
サプリ | 400μg |
合計(食事+サプリ) | 640μg |
推奨量(厚生労働省) | 640μg |
妊娠中期・後期 | |
---|---|
食事 | 240μg |
サプリ | 240μg |
合計(食事+サプリ) | 480μg |
推奨量(厚生労働省) | 480μg |
産後 | |
---|---|
食事 | 240μg |
サプリ | 100μg |
合計(食事+サプリ) | 340μg |
推奨量(厚生労働省) | 340μg |
そのため、妊活~産後まで葉酸は摂っていく必要があります。
葉酸って妊娠中だけのイメージだったけど産後まで必要だったのね!
時期によって推奨摂取量が変わってくるから気をつけるのじゃぞ。
葉酸の効果を高める栄養素とは
葉酸と一緒に摂ることで、よい効果を生み出す栄養素が2つあります。それは以下の2つです。
- ビタミンB12
- ビタミンB6
葉酸とビタミンB12を一緒に摂ることで血を造ってくれます。妊娠中から産後まで血液は不足しやすいので、一緒に摂っておくといいでしょう。
さらに、葉酸と「ビタミンB12」と一緒に「ビタミンB6」を摂ることで動脈硬化の原因となるホモシステインの生成を抑えるといわれています。
これら2つは葉酸サプリに含まれていることがあるので、サプリ選びのときに注目してみてはいかがでしょうか。
何時(いつ)葉酸サプリを飲めばいい?
葉酸サプリを購入したことがある人はわかると思うのですが、葉酸サプリのボトルには1日の摂取量の目安だけで、いつ飲めばいいのかなどが書かれていません。
少し不親切なようにも思えますが、これは仕方がないことなんです。日本は医薬品以外はすべて「食品」として分類されます。
では、いつ好きなときに飲んでも効果は変わらないといったら違います。しっかり摂る時間を考えることで、効率よく摂ることができます。
葉酸サプリを効率よく摂取するには時間が大切なのね。
そうじゃ。もっとも効率よく吸収できるのは食前か食後か知っておくことも大切じゃぞ。
朝・昼・晩どの時間がいい?
「サプリメントを飲むのは消化吸収が活発な昼と晩がよい」と言いたいところですが、「朝・昼・晩」の1日3回に分けて飲むのがおすすめです。
なぜ、昼と晩の2回ではなく、3回に分けて飲むのか説明していきます。
昼と晩の消化吸収が活発な理由
人間は栄養を取り込むことによって、新しい細胞が作られ成長していきます。この新しい細胞を作る働きは基本的に夜から朝にかけて行われます。成長痛なんかも夜中に起こることが多いですよね。それと同じです。
朝から昼までは、また夜の細胞の成長に備えて身体を準備する時間となっていきます。身体を準備するには朝食を欠かすことができません。朝食を取らないと身体は準備できず、昼からの活動に影響を及ぼします。
ただ、朝は準備をする時間なので、活動的な昼や晩に比べて消化吸収は活発ではありません。そのため、昼と晩がもっとも消化吸収が活発です。
なぜ3回に分ける必要があるの?
消化吸収が活発な昼と晩の2回ではなく、3回に分けるのかというと負担を少しでも減らすためだからです。
回数を分けることによって1回1回の消化吸収の負担を減らすことができます。もちろん、そんな負担を感じないのであれば、昼と晩の2回でも大丈夫です。
ただ、できれば分けるのは最低2回にまでしておくといいじゃろう。葉酸は水溶性ビタミンのため、1回で摂りすぎると吸収できず、尿となって排出される可能性があるのじゃ。
そのため、3回もしくは2回に分けて飲むようにするといいでしょう。
1日4個や5個摂取する必要のある葉酸サプリメントなら「朝1粒・昼1粒・晩2粒」か「朝1粒・昼2粒・晩1粒」というように昼か晩に増やすといいでしょう。
飲むのは食前?食後?
おすすめの飲むべきタイミングは食前でもなく、食後でもなく「食間」です。朝食前、昼食前、夕食前は胃が空っぽの状態です。
胃が空っぽのときに、葉酸サプリを飲むことで胃はサプリメントを吸収することだけに専念するのじゃ。
ただし、胃腸の働きが弱い人は食後に摂取することをおすすめします。胃の中が空っぽの時にサプリだけを摂っても、消化する働きが弱く吸収に時間がかかってしまうので、食後がおすすめです。
注意してほしい飲み方
葉酸サプリを少しでも効率よく摂取するためには注意してほしい飲み方があります。知らないまま飲んでしまうと、せっかくの葉酸が台無しになってしまうかもしれません。
注意してほしい飲み方は以下の3つです。
- 一緒に飲むのは基本「水」
- 医薬品との飲み合わせに注意
- できるだけ砕かない・噛まない
葉酸サプリを飲むなら知っておかなくちゃね!
簡単なことじゃから、ぜひ覚えていってくれ。
1.一緒に飲むのは基本「水」
葉酸サプリを飲むとき、朝はコーヒーでついでに飲んだり、晩は晩御飯のついでにお茶で飲んだりしていませんか?
葉酸サプリを飲むときはコーヒーやお茶ではなく、水または常温の水で飲むようにしましょう。
コーヒーやお茶に含まれるカフェイン、タンニンは栄養素の吸収を邪魔してしまう可能性が大いにあります。そのため、邪魔をしない水で飲むことが大切です。ミネラルウォーターだと胃も活発化するのでおすすめです。
医薬品との飲み合わせに注意
葉酸サプリは一部の医薬品と一緒に摂取すると医薬品の効果を下げてしまう恐れがあります。
がん治療に使われる薬「メトトレキサート」と葉酸を摂取すると、メトトレキサートの効果を下げてしまうかもしれません。
総合医療情報発信サイト「葉酸」によると、腫瘍性大腸炎(しゅようせいだいちょうえん)の治療薬「スルファサラジン」を服用していると葉酸の吸収能力が低下し、葉酸欠乏症がでる可能性があります。
このように一部の治療薬と葉酸は相性が悪いので、何かの治療などで医薬品を摂取している場合は担当の医師に葉酸サプリは摂取してもよいのか相談をしましょう。
できるだけ砕かない・噛まない
錠剤タイプのサプリメントは腸まで届くように考えて作られています。また、砕くことによって吸収率にも影響する恐れがあるので、できるだけ砕かない、噛まないほうがいいでしょう。
ただ、つわりなどが原因でどうしてもそのままでは飲み込めない場合もあると思います。その場合は、サプリを切る商品が販売されているのでそちらを利用しましょう。
まとめ
葉酸は妊娠中に摂取するイメージだと思いますが、実は妊娠を計画している段階から産後まで摂取することが大切です。
「朝・昼・晩の3回に分けて飲むのがおすすめ」だと言いましたが、無理して3回に分ける必要はありません。
せっかく葉酸を摂取しているのに、吸収率が悪くなってしまいます。そのため、水かヨーグルト、ゼリーで飲むようにしましょう。
妊娠中はさまざまな症状が出るので飲むのが大変かもしれません。その場合は1日3粒の葉酸サプリであっても無理して3粒飲まず1粒だけにしても構いません。少なくても毎日飲み続けることが大切です。
- 朝・昼・晩の3回に分けて飲む
- 食間に飲むとより吸収されやすい(難しいなら食後)
- 妊娠を計画している段階から産後まで葉酸は必要
- 葉酸はビタミンB12、B6と一緒に摂るとより良い
- コーヒーやお茶ではなく水またはゼリー、ヨーグルトで飲む
- 医薬品を飲んでいるなら、担当の医師に一度相談をする