葉酸サプリを含めた健康食品を調べていると、商品のホームページで「放射能検査済みです」「放射能チェック済み」といった説明を見たことがあると思います。

例えば葉酸サプリで人気の「ベルタ葉酸サプリ」だと商品の安全性をアピールするために「放射能検出でも常に検出せずという結果が出ています」と書かれています。

説明がこれだけでは正直何が安全で、そもそも放射能ってそこまで避けるべきものなのかなど分からないことだらけですよね。

そこで今回は放射能とは何、どのような危険性があるのか、妊娠への影響はあるのかなど、まとめて解説していきます。

放射能とは?放射線との違いは?

「放射能・放射線」という言葉は地震などの災害をきっかけによく耳にするようになったと思います。

放射能とは放射線を出す性質のことを言います。懐中電灯で例えると「光が放射線」で「懐中電灯が放射性物質」「光を出す能力を放射能」ということになります。(参照:日本原子力研究開発機構「放射線と健康への影響について」)

放射線を出す能力である放射能はずっと強いままではなく、放射性物質が放射線を出しながら徐々に弱く、半減していきます。

地球上には空気や大地、食物などたくさんの放射性物質が存在しているため、常に放射線を出しています。大地の岩石や土などに放射性物質が含まれているので、都道府県によって受ける放射線の量は違ってきます。

関東と関西を比べてみると、関西地方は大地に放射性物質を比較的多く含む花崗岩(かこうがん)が多く存在しているため、年間で2~3割ほど自然放射量が違ってきます。

では、関西のほうが病気になりやすいのかというとそうではありません。世界で大きく見ると日本よりもイランや中国、ブラジルで受ける自然放射線量は10倍以上ですが、健康への影響は確認されていません。

そのため、受ける放射線量がある一定以下の数値であれば人体への影響はなく、地域による発病の差はないと考えられています。

放射線って色々なところから出ているんだね…

そうじゃ。しかし、一定以下の数値であれば問題ないからそこまで気にする必要はないぞ。

自然放射線と人工放射線

放射線には「自然放射線」と「人工放射線」の2種類があります。人工放射線は病気の診断や健康診断などのときに撮られるX線やCT、原子力発電所で生まれる放射線などのことを言います。

自然放射線は宇宙や空気、大地、飲食物など、文字通り自然から放射されているもののことを言います。

葉酸サプリなどで検査されるのは飲食物による自然放射線です。ビールとテキーラ同じ量でもアルコール度数が違うように飲食物によって放射性物質の量は違ってきます。

外部被ばくと内部被ばく

放射性物質が体の外にあり、その放射線を受けることを外部被ばくといいます。大地からの放射線や宇宙からの放射線などが外部被ばくにあたります。

服や皮膚に放射性物質が付着して、放射線を受けたりするのですが、万一付着してもシャワーや洗濯で洗い流すことができます。

内部被ばくは空気や飲食物が体内に入ることで、それに含まれている放射性物質が体内に取り込まれることで起きます。

内部被ばくを防ぐためには、放射性物質が含まれたものを体内に取り込まないように予防することが大切です。そのため、放射能チェックが行われているのです。

放射線による健康への害はどんなもの?

最も放射線による健康への害が一番気になりますよね。放射線は基本的にDNA(遺伝子)を傷つける働きを持っています。その傷をつけることで様々なことを引き起こすのです。(参照:放射線影響協会「放射線の影響がわかる本」)

しかし、DNAには修復能力を持っているので、傷ついたとしても完全に修復することができれば問題はありません。そのため、私たちは日常的に放射線を受けていても問題はないのです。

ところが、修復ができない場合やミスが起きることもあります。ミスが起きることでがんや遺伝的影響の原因となってしまいます。

DNAが修復できないとその細胞は死んでしまいます。ただ、死んでしまっても場所次第では増殖した正常な細胞が補うので大きな問題は起こりません。

しかし、細胞が大量に死んでしまったり、大事な臓器が死んだりすると、人によっては死亡することもあります。

日常的に細胞が傷つけられているんだ!

しかし、基本的には自分で修復するから特に問題視する必要はないぞ。

放射線による人体への影響

放射線による人体への影響は大きく2つに分けることができます。受けた人自身に起きる「身体的影響」と、受けた人の子孫に現れるかもしれない「遺伝的影響」です。

遺伝的影響は受けた放射線によって精子または卵子が変化し、それが子孫に伝えられると障害を持つ子ができる可能性があります。

ただ、遺伝的影響は動物実験の結果のみで、広島・長崎の被ばく者の調査を含めたその他の調査でも、遺伝への影響は認められていません。そのため、あくまで低い可能性だと思っておいていいでしょう。

身体的影響は2つに分けられます。一つが放射線を受けて数週間以内に出てくる「急性障害(紅斑、脱毛)」と、もう一つが数ヶ月~数年後になって症状が出てくる「晩発障害(白内障・がん)」です。

赤ちゃんが生まれる前の被ばくによる影響も身体的影響の一つに含まれ、赤ちゃんにも急性障害と晩発障害の可能性があります。

ここでワンポイントこれらの影響は受けた放射線の種類や量、体の全体か一部に受けたのかによって違ってきます。

放射線による妊娠への影響はある?

放射線による妊娠への影響はあるのか、妊娠前から産後まで分けて解説していきます。(参照:ちょっと詳しく放射線「放射線が身体に与える影響」)

また、妊娠していることに気づかずX線・CT検査を撮ってしまっても大丈夫かどうかについても解説していきます。

放射線による妊娠前の影響

放射線による健康への影響は大きく分けると「確定的影響」と「確率的影響」の2種類に分けられます。

確定的影響が問題で、これは多量の放射線を一度に浴びたときに現れる影響で、一定の数値を超えると急性障害を起こし、不妊の原因になる可能性があります。

女性も男性もどちらも起こりえるので、パートナー同士で十分に注意してください。

放射線による妊娠中の影響

妊娠中の被ばくは妊娠周期によって影響は大きく異なってきます。

着床して間もない時期だと、出生前死亡(流産)、体が形成されていく期間だと奇形、精神発達遅延(知恵の遅れ)、胎児期全体を通してがん、発育障害が発生する可能性があります。

赤ちゃんは体を形成するために行っている細胞分裂が盛んなため、大人と同じ放射線量を受けたとしても2~3倍ほど強い影響が出るといわれています。私としては最も気をつけないといけない時期は妊娠中だと考えています。

放射線による産後(母乳)の影響

福島原子力発電所の事故によって放射能漏れが発生し、水道水に基準値を超える放射性物質が確認されました。そのときの報道では乳児の摂取はやめるようにと発表されました。

同時に母乳を飲ませるのはやめたほうがいいのではないかと、多くの母親が悩まされました。それに対して日本母乳の会はあらゆる安全性を考えて以下のコメントをしました。

現時点では授乳中の女性が軽度汚染水道水を連日飲んでも、母体ならびに赤ちゃんに健被害は起こらないと推定されます。さらに、授乳を持続しても乳幼児に健康被害は起こらないと推定されます。
また、母乳を与えることで直接放射性物質で汚染されている可能性のあるものを乳児に摂取されることがなくなります。現時点では母乳を乳児に与えることが最良の栄養法となります。

このことから、授乳中の女性は軽度の汚染水道水を飲んでも赤ちゃんに影響はなく、そのまま授乳を続けても問題はないということになります。むしろ母乳のほうがより最適だと考えています。

あくまで今回ここで紹介しているのは福島原子力発電所での事故を例にしているだけです。胸のX線検査を受けるなど放射線を受けることがあれば、一度医師に相談するようにしましょう。

妊娠に気づかずX線・CT検査を撮ってしまうとどうなる?

妊娠していることに気づかず、人工放射線を使うX線CT検査を行ってしまった場合、中絶することになるという噂があります。

実際、過去には「妊娠に気づかずに腹部X線CT検査を行い、そのために中絶手術を行った」というニュースが報道されました。

しかし、これは中絶するほどの放射線を被ばくしていたわけでなく、不必要に中絶されたものだったのです。日本放射線技術学会「妊娠と医療での放射線について」に以下のように考えられています。

一定値以下(100mGy以下)の胎児線量では、放射線被ばくによる妊娠中絶は正当性がありません。通常のX線検査において、この数値を超えることは極めてまれです。

100mGy以下の放射線量で胎児にがんや白血病のリスクは自然発生とほとんどかわりないというデータもでています。

基本的に撮影するのは全体ではなく、胸や手足、首など部位を限定して放射線を出しているので、胎児に被ばくすることはほとんどありません。

なによりも妊娠に気づけていない妊娠早期に放射線を被ばくしても、胎児への影響は限りなく低いと判明しています。

このことから妊娠に気づかずに検査をしても何も問題はないと思われます。ただ、ごくまれに100mGyを越す検査も行われるみたいなので、気になる方は担当医に影響はないか聞くといいでしょう。

X線検査とか危険とか聞いたんだけど…

確かに100mGyを超える放射量を受けると危険じゃが、基本的に検査で超えることはないから心配する必要はないぞ。

放射能検査をしている葉酸サプリはごく一部だけ?

人気の葉酸サプリはほとんどが放射能検査を行っていますが、それは全体のごく一部で検査を行っていない葉酸サプリはまだまだたくさんあります。

検査によって基準値を超えた飲食物は摂取制限もしくは出荷制限がかかるので、販売されているものを摂取して異常が出るということは偽造をしていないかぎり考えにくいことです。

そのため、放射能に対してそこまで厳しく考えなくてもいいかもしれません。ただ、安全性を追求するのであれば放射能検査は必須だといえます。

チェックされているほうがより安全なので、何かその商品にこだわりがない限りは放射能検査もしっかりと行われているか確認しておいたほうがいいでしょう。

また、やらなくても良い検査をお金かけて行っているという点でも、その会社を少し信用できるポイントになります。

ここでワンポイント安全性のことを考えるのであれば、放射能検査を行っているかどうかも葉酸サプリを含めた健康食品の選ぶポイントの一つになるでしょう。

まとめ

以上、放射能について解説しました。放射能について知ることで、葉酸サプリなどの健康食品がなぜ検査しているのか分かっていただけたかと思います。

基本的に放射能の基準値を超えるものは何かしら制限されるので、偽装していないかぎりはほとんどが放射能による危険はないでしょう。

しかし、より安全性を追求するのであれば放射能検査を行っているかどうかが大切になってきます。検査は必ず行わければいけないものではないので、それをわざわざ行っているだけでも信用性は少し上がります。

基本的には検査を行っている場合はホームページに記載されています。商品によっては小さく書かれていて見落としていることもあります。

もし、気になる商品があれば一度ホームページを確認してみてください。商品選びに迷っている方は「放射能検査を行っているか」を判断材料の一つにしてみてはいかがでしょうか。

  • 日常的に放射線は受けているが影響はない
  • 放射線を受けすぎると妊娠に影響する
  • 放射線は赤ちゃんにまで影響する。影響する内容は妊娠週数によって変わる
  • 放射能検査を行っていない葉酸サプリはたくさんある
  • 放射能検査を行っている葉酸サプリは信用できるポイントとして見れる