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膣カンジタとは?妊娠中は発症率が高く危ない?原因と治療【まとめ】

膣カンジタとは?妊娠中は発症率が高く危ない?原因と治療【まとめ】

膣カンジダとは女性の感染症です。膣カンジダはデリケートゾーンがかゆい、痛い、おりものが白くなるなどの症状がでるので、人に相談するはなかなか難しいと思います。

しかし、そのまま治さないでいると赤ちゃんにまで影響を及ぼす可能性があります。そこで今回は膣カンジダとはどのような病気なのか解説していきます。

膣カンジダとは?

膣カンジダ(カンジダ膣炎)とはカンジダと呼ばれる常在菌(カビ)の1種が増殖し、体内に侵入することで発症する病気です。膣カンジダはカンジダ症とも呼ばれたりします。

カンジダは消化管や皮膚などにも存在していますが、この時点では膣カンジダは発症していません。そのため、カンジダが見つかっただけでは膣カンジダだと診断することはできません。

自覚症状が現れ、医師に診てもらって初めて膣カンジダだと診断されます。反対に症状が自分と医師から診て、ないのであれば治療の必要はありません。

診断方法は簡単で、膣分泌物を採取して顕微鏡で観察をする「検鏡法」と標本にいれて観察をする「培養法」の2つとなっています。

カンジダは男性の消化管や皮膚にも存在しているので発症することがあります。しかし、男性器と女性器の構造上、男性が発症することはほとんどなく、女性がほとんどです。

ここでワンポイントちなみに男性がカンジダによって炎症を起こした場合はカンジダ症と呼ばれます。

膣カンジダの3つの症状

炎症を起こす膣カンジダによる不快な症状は3つの種類に大きく分けることができます。それは以下の3つになります。

  1. 外陰部の症状
  2. おりものの変化
  3. その他の症状

それぞれの症状と変化について書いていきます。その後、膣カンジダは赤ちゃんへ影響するのか書きます。

1.外陰部の症状

外陰部に現れる症状は「かゆくなる、赤くなる、腫れる、痛くなる」です。特に症状の中でも、かゆくなると痛くなるが同時に併発した「痛痒い」と訴える患者が多くなっています。

かゆみに関しては全ての症状の中で特に多く、酷い場合は無意識に掻いて、引っかき傷が出来てから気づき病院に行く方もいます。

2.おりものの変化

膣カンジダになるとおりものが白く変化するため「酒粕状、粥状、ヨーグルト状、カッテージチーズ状」といった表現をされることがあります。

量も変化することがあるので、普段よりも多いなどの違和感があれば疑ったほうがいいでしょう。

3.その他の症状

その他の症状に「性交痛、排尿時の痛みもしくは不快感、熱感」などがあります。基本的には外陰部のかゆみか、おりものの変化ですが、これらの症状もでることがあります。

膣カンジダが慢性化してくると外陰部がさらに腫れて厚くなり、色も変色してくるので早めに病院で診てもらいましょう。

妊娠中に発症すると赤ちゃんにも影響する?

膣カンジダは妊娠中にも発症する可能性があります。むしろ、妊娠中は免疫力が低下しているので妊娠前よりも発症する可能性が高いといえます。

妊娠中に膣カンジダになると「医療法人社団みずうち産科婦人科」によれば以下の危険性があるとのことです。

産道を赤ちゃんが通ってくる時に赤ちゃんの口に入り、特に未熟児の場合に鵞口瘡というカンジダ性の口内炎になり、口がただれて母乳を飲めなくなることがあります。また、口の中に入ったカンジダ菌が腸を通り、便に排出され、新生児期にカンジダによるおしりのただれが生じることもあります。

出産までに膣カンジダを治療しておかなければ「口がただれて母乳が飲めなくなる」「おしりのただれが生じる」といったことが起こるといわれています。

さらに、あまり多くはないのですが膣カンジダの炎症が子宮の出口あたりにある頸管部で起こると、破水し早産になることもあるそうです。

妊娠中は発症する可能性が高くなり、治療しないままでいると赤ちゃんに影響を及ぼしてしまうので、早期発見し早期治療することが大切です。

赤ちゃんにまで影響を及ぼしてしまうんだね。

そうじゃ。だから異変を感じたら病院で診てもらうのじゃぞ。

膣カンジダの5つの原因

膣カンジダを引き起こす原因はたくさんあることを知っていますか。意外なことが原因で膣カンジダを発症するので、ぜひ確認してください。

膣カンジダの原因とされているのは以下になります。

  • 抗生物質を服用したとき
  • 免疫力の低下
  • 体温の上昇
  • 生活習慣の乱れ
  • 性交

カンジダは主に「免疫力の低下」「体温の上昇」「生活習慣の乱れ」が原因で増殖し、膣カンジダを発症すると考えられています。

ただ、抗生物質のような例外もあります。抗生物質を飲むとカンジダと拮抗している細菌が減少するため、カンジダが増殖しやすい環境となり発症することもあります。

抗生物質を飲むと膣カンジダになるから嫌だと思う方もいるかもしれませんが、抗生物質を飲むときは、それ以上に危険なことになっている可能性があります。

注意してね!自分で判断しないで医師と飲みたくないなどの相談をして決めるようにしましょう。

免疫力の低下

膣カンジダは妊娠や糖尿病、ストレスなどによる免疫力の低下が原因で発症します。

例えば、原因の1つである糖尿病を患っていると、尿に含まれる糖が外陰部を刺激します。その刺激によって免疫力が低下し、カンジダが増殖します。

糖尿病が原因で発症するので糖尿病を治さないかぎり、膣カンジダを治しても何度も再発する可能性があります。糖尿病だと気づいていなくて、何度も膣カンジダが再発する場合は糖尿病も疑ったほうがいいでしょう。

体温の上昇

体温が上昇することでカンジダが増殖して、膣カンジダを発症させると考えられています。

長時間体温が上昇することが原因だといわれているので温泉やサウナ、岩盤浴に行って膣カンジダになる方もいます。

また、温泉やお風呂に入ったときに陰部を洗いすぎて膣内のバランスが崩れて発症することもあります。その他にも通気性の悪い下着だと熱がこもり、ムレによって膣カンジダになることがあります。

生活習慣の乱れ

最近では、過度な疲れや体調不良、睡眠不足などの生活習慣の乱れが原因で発症しているのではないかと考えられています。

睡眠不足や体調不良などの後に症状として訴えてくるケースがあるようです。ただ、どのように関係しているのか突き止めることができない場合もあります。

性交

他の原因に比べて、性交による感染はほとんどありません。男性器と女性器では構造が違うため、男性ではカンジダ症が起こりにくくなっています。

そのため、男性がカンジダ症でも女性に感染する頻度は低く、女性から男性に感染するのが原因となりやすいです。

膣カンジダの治療法とは?自然治癒は難しい

膣カンジダを人に相談するのは、なかなか恥ずかしいですよね。出来れば自然治癒してほしいものです。

先に結論からいうと「自然治癒は難しい」でしょう。一応、膣内にはphを一定に保つ自浄作用があるので、普段は菌の増殖などが一定に保つようになっています。

しかし、膣カンジダになると自浄作用だけでは菌の増殖を止めることはできません。かなり軽症の膣カンジダなら治るかもしれませんが、それは症状がないと思うので、そもそも治療を必要としません。

自然治癒は難しいんだね。

症状が出たのであれば婦人科・産婦人科で治療を受けないといけないぞ。次は治療法について解説していくのじゃ。

病院での治療法は?市販の薬ではダメですか?

できるだけ人には言いたくないと思い、市販の薬で治そうとする方がいますが、最初は必ず婦人科・産婦人科で診てもらうようにしましょう。

膣カンジダと似た症状の病気は他にもたくさんあるので、自己判断で治療を行うと治らないばかりか悪化する可能性もあります。

例えば、かゆみ止めなどによく含まれているステロイドを塗ると余計に悪化させてしまいます。ただの湿疹、かゆみなら問題ありませんが、膣カンジダだと逆効果です。

そのため、初めてなった場合は勇気を出して婦人科・産婦人科で診てもらいましょう。

婦人科・産婦人科で行われる治療内容は連日通院するか、通院が困難かによって少し違ってきます。

連日通院ができる場合は膣洗浄を行った後、抗真菌薬と呼ばれる文字どおり真菌の生育を抑えるもの含んだ膣錠を1日1錠を6日間投与します。

通院が困難な場合は同様に膣洗浄を行い、週に1回抗真菌薬の含有量が多い膣錠を投与します。

同時に抗真菌薬を含んだ軟膏やクリームを使って外陰部を治していきます。症状がなくなれば治療完了となります。

治療が完了しても年に4回以上再発をする場合は、糖尿病、抗生物質の有無、パートナーの性的感染の有無などを疑いましょう。

ここでワンポイント再発をして市販薬を利用するときは、その薬の注意書きをしっかりと確認しておきましょう。妊娠中の方は担当の医師に相談してから使うか決めるようにしましょう。

膣カンジダの再発・発症を予防する

膣カンジダの再発・発症を予防するために以下のことを意識するといいでしょう。

  • しっかりと休息をとり、バランスのとれた食事にするなど健康に気をつける。
  • できるだけ通気性の良い下着を着用する。雨などで濡れた場合はすぐに着替えるようにする。
  • 入浴時間はあまり長くせず、あがったらきちんと乾かすようにする。
  • おりものシートなどを使うときは頻繁に交換して清潔さを保つ。
  • トイレをしたあとは前から後ろに向かって拭くようにする。

カンジダは菌の1種なので温かくて湿った場所を好み、増殖していきます。そのため、できるだけカンジダが好むような環境にしないことが大切です。

腸などの消化器系や皮膚などにもカンジダは存在しているので、トイレをしたあと後ろから前に拭くと前に付く可能性があります。前から後ろに拭くことを意識しましょう。

糖尿病が原因だった場合は先に糖尿病を治すことから考えましょう。膣カンジダを先に治しても再発する可能性が高いので治した意味がなくなってしまいます。

まとめ

膣カンジダはカンジダという菌の1種が増殖することによって発症します。カンジダは消化管や皮膚にも存在しているため、症状がでないと治療も診断もできません。

症状がでると外陰部がかゆくなる、痛くなる、おりものが変化するなど、様々な症状がでてきます。どれも不快感があって嫌な症状ですが、妊娠中は特に注意が必要です。

妊娠中に膣カンジダを発症し、治療しないままでいると赤ちゃんの口やお尻がただれてしまう可能性があります。また、まれにですが早産の原因になってしまうことがあります。

赤ちゃんに影響を及ぼしてしまうので治療が大切です。治療も初めてかかった場合は恥ずかしいかもしれませんが、自己判断せず婦人科・産婦人科で診てもらいましょう。

早期発見・早期治療が妊娠中は特に大切です。症状を見て疑わしいのであれば、一度医師に相談してみてください。

  • 膣カンジダは菌が増殖することで発症する。
  • 体温の上昇、免疫力の低下、生活習慣の乱れが主な原因
  • かゆくなる症状が最も現れやすい
  • 妊娠中に発症すると赤ちゃんにまで影響を及ぼしてしまう
  • 初めて発症したときは市販薬を使わず、婦人科・産婦人科で診てもらう
  • 早期発見・早期治療が大切