基礎知識

毎日の食事に取り入れたい!妊娠中・産後はビタミンCの摂取が重要!

毎日の食事に取り入れたい!妊娠中・産後はビタミンCの摂取が重要!

妊娠してから産後までの女性のからだというのは、赤ちゃんを健やかに育てるためにもたくさんの栄養素をバランスよく摂取することが大切です。妊娠中はお母さんの栄養がダイレクトに赤ちゃんに直結します。

また、授乳中も母乳で赤ちゃんを育てるのであれば、お母さんの栄養状態が重要になります。さらに、母乳でなくてもお産をしたお母さんのからだは体力を戻さなければならないので、たくさんの栄養が必要です。

妊娠から産後において必要な栄養の1つとして、ビタミンCがあります。ビタミンCというと、美容に良いイメージがあるので、「妊婦さんに必要なの?」と思われるかもしれません。ビタミンCは妊娠中、産後にぜひ摂取したいところです。

ビタミンCとは?

ビタミンCは、コラーゲンを合成するにあたって必要となる栄養素で、毛細血管の健康を維持したり酸化を防いだりするのに重要な成分です。

ビタミンCの役割として5つのことがあります。

一般に「コラーゲンの合成を促進する」「抗酸化作用がある」「鉄や銅の吸収を助ける」「メラニン色素の生成を抑制する」「免疫力を高める」などと言われている。

1つ目は、コラーゲンを合成することです。コラーゲンは生命維持活動に欠かせない成分ですが、それを合成するのにビタミンCが必要です。

2つ目は、抗酸化作用です。細胞が酸化するのを防ぐ役割があることから、美容効果があると言われています。3つ目は、鉄や銅の吸収率を高めることです。鉄や銅は吸収率の悪い栄養素ですが、ビタミンCと一緒に摂取することでその吸収率を高めます。

4つ目は、メラニン色素の生成を抑えることです。それによって、シミや日焼けを防ぎます。5つ目は、免疫力を高めることです。ビタミンCの摂取は風邪予防になると言われているのは、そのためです。

ビタミンCって風邪の予防に良いというのは聞いたことあったけど、他にも美容効果とかあったんだね!

そうです。さらに妊娠中は赤ちゃんの健やかな成長のためにもビタミンCが欠かせませんし、産後も同じです。

ビタミンCの働きとは?過剰摂取しても大丈夫?

ビタミンCはまず、食事で摂取されると消化器官で吸収されます。消化器官とは、胃や腸のことです。消化器官で吸収されたビタミンCは、血液の中に送られます。

血液は体中に栄養を運ぶ役割を果たしているので、そのうちの1つの栄養として、ビタミンCの必要な器官に送られます。

ビタミンCを意識的に摂取したい妊婦さんですが、そこで気になるのが「過剰摂取は大丈夫なのか」ということではないでしょうか。しかし、安心してください。ビタミンCで吸収されなかった分というのは、排せつされます。

ビタミンCをたくさん摂取してもそのすべてが吸収されるわけではなく、一定量のみです。もちろん、過剰摂取となった場合にはからだの不調をきたすこともありますが、過剰摂取による体調不良を起こす可能性は低いです。

妊娠から産後までのビタミンCの必要性

「妊娠中にビタミンCが必要って聞くけどどうして必要なの?」と思っている妊婦さんもいるのではないでしょうか。妊婦さんは妊娠中だけではなく産後も様々な栄養を摂取するのが重要です。

しかし、妊婦さんまた産後のお母さんが摂取した栄養というのは、ダイレクトに赤ちゃんに送られます。そのため、「これはいいよ」と勧められたものでも「なぜ良いのか」という必要性まで知っておきたいところです。

それは、メジャーな栄養素であるビタミンCでも同じことです。ビタミンCが妊娠中の妊婦さんや産後のお母さんに必要である理由として、3つのことがあります。

免疫力の向上

1つ目の理由は免疫力の向上です。ビタミンCには免疫力をアップさせるはたらきがあります。これは、ビタミンCには強い抗酸化作用があるからです。抗酸化作用があることによって、ウイルスなどの感染リスクを低下させるのです。

抗酸化物質としての機能と免疫機能において果たす役割から、ビタミンCは数多くの疾患の予防または治療を助ける手段として奨励されてきた。

実際に、ビタミンCには風邪を予防する効果があるといわれています。それだけではなく、がんや心血管疾患を予防する効果もあるといわれているほどです。つまり、それだけ体の免疫力を向上させる役割を持っているのです。

妊娠中や産後というのは、体調にだけは気を付けなくてはなりません。特に妊婦さんは安易に色々な薬を飲んではいけないので、それを防ぐためにも、風邪などをひかないよう体調管理が重要になります。

妊婦さんが風邪をひかないようにするためには、様々な栄養をしっかりと摂取して、体調を整えなければなりません。

妊娠~産後に必要な「鉄」の吸収をよくする

2つ目の理由は、鉄の吸収をよくすることです。貧血を起こしやすい女性にとって、鉄を意識的に摂取するのは重要なことです。特に妊婦さんは、自分だけではなく赤ちゃんの造血にも関わってくるので、よく摂取したいところです。

しかし、鉄というのは吸収率の悪い栄養素です。そのため、食事から摂取する場合には、自分が思っているよりもたくさん摂取しないと、鉄不足になります。そこで大切になるのが、ビタミンCの存在なのです。

ビタミンCは鉄の吸収率を高めます。鉄の中でも、非ヘム鉄の吸収率を高めます。非ヘム鉄はほうれん草などの野菜に豊富に含まれている鉄です。なので、ビタミンCの豊富な野菜と一緒に摂取すれば、効率的に非ヘム鉄の摂取ができるのです。

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鉄は妊娠中から産後まで必要になる栄養素になります。女性は普段から鉄の摂取が少なくなりがちですが、妊娠中や産後はそれよりも特に意識しないと鉄不足になってしまいます。

鉄を豊富に含んでいる食材といえば、レバーやほうれん草、小松菜などがありますが、他の食材にも多少含まれています。

したがって、ビタミンCをしっかり摂取すればその少量の鉄も効率的に吸収できるようになるので、ビタミンCの摂取が重要になるのです。

新生児の壊血病を防ぐため

3つ目の理由は、新生児の壊血病を防ぐためです。ビタミンCの量がからだの中で少なくなると、ビタミンC欠乏症を引き起こします。軽いビタミンC欠乏症であれば、少しの体調不良で事なきをえますが、症状が重くなると様々な病気を引き起こします。

その1つが、壊血病です。壊血病は、血中のビタミンC濃度が低くなったり、胎内貯蔵率がある一定の基準を下回ったりすると発症する病気です。これは、大人か子供かに関わらず発症します。

壊血病はビタミンC欠乏症によって起こる疾患であり、出血症状を主症状とします。出血は歯肉、筋肉、骨、神経におよび、貧血や全身倦怠感、脱力、食欲不振などの症状を引き起こします。治療には100~200 mgあるいはそれ以上のビタミンCを投与します。

赤ちゃんでもビタミンCの量が少なくなると、壊血病を起こす恐れがあります。生まれたばかりの新生児が壊血病を起こしている場合、お腹の中にいる間にビタミンCの摂取量が少なかったことを意味しています。

つまり、お母さんから送られる栄養の中で、ビタミンCが少ないと、赤ちゃんもビタミンC欠乏症を起こすのです。

お母さんのビタミンCの摂取量が少ないと、新生児の壊血病につながるリスクが高くなっちゃうんだね…。

健康で元気な赤ちゃんを産むためにも、お母さんが栄養を十分に摂取することが大切なのです。赤ちゃんの壊血病を防ぐためには、お母さんがビタミンCをしっかりと摂取するのが必要不可欠です。

壊血病とは?

壊血病は、ビタミンCの欠乏によって引き起こされる病気です。壊血病を起こすと、毛細血管が弱くなります。

毛細血管が弱くなると、皮下や粘膜下、骨膜下などに関わらず、全身で出血が起こりやすくなります。毛細血管は全身に張り巡らされている血管なので、そこで出血が起こると貧血になります。

毛細血管の出血による貧血なので、単純に鉄が少ないことによる貧血とはまた異なります。また、貧血だけではなく、歯肉が出血したり関節が痛くなったりします。幼児においては骨や歯の成長に影響が起きるので、赤ちゃんにとっては重大な病気です。

妊娠中や産後に壊血病になってしまうと、お腹の中の赤ちゃんや新生児も壊血病になってしまいます。しかも、お母さんが壊血病になっていなくても赤ちゃんがなることもあるので、ビタミンCの摂取が重要です。

ビタミンCが不足したときの症状

ビタミンCが不足しているかどうかということや、ビタミンCがどれくらい吸収できているかどうかということは、一目見ただけでは分かりません。しかし、欠乏すると現れる症状があります。

このビタミンCが不足したときの症状が出たら、そのままにするのではなく、ビタミンCの摂取を心がけなければなりません。そうしないと、壊血病が進行してしまいますし、妊婦さんだと赤ちゃんにも影響があります。

壊血病は妊娠中や産後だけではなく、日頃から気を付けたい病気です。ビタミンCが不足すると、主に3つの症状が現れます。

歯肉炎(壊血病の初期症状)

1つ目は、歯肉炎です。歯肉炎は、壊血病の初期症状なので、ビタミンCが不足することによる歯肉炎が起きたときには、壊血病を発症しています。しかし、まだ初期症状なので、改善の余地は大いにあります。

歯肉炎とは、歯肉が炎症していることをいいます。歯肉炎になると鏡でぱっと見ただけでも分かるくらい、赤く腫れます。ちょっとした刺激でも傷つきやすくなるので、歯磨きや咀嚼でも痛みを感じることもあります。

最悪の場合には、歯を失うこともあるので、決して侮ることのできない病気です。妊婦さんでも歯肉炎が起きた場合には、壊血病の初期症状であることが疑われます。なので、赤ちゃんのためにも、妊娠中や産後には歯の環境にも注意することが大事です。

歯は食べ物を咀嚼するうえでも、からだの健康を保つためにも大切な存在です。「ちょっと腫れているかも」と思った場合には、医師に相談した方が良いです。

貧血

2つ目は貧血です。ビタミンCのはたらきは前述したように、非ヘム鉄の吸収率を高めます。そのため、ビタミンCが不足すると鉄の吸収率は悪くなります。鉄の吸収率が悪くなると、一般的に広く知られているように貧血になりやすくなります。

なぜ鉄の吸収率が少なくなると貧血を起こすのかというと、鉄が血液を造るのに必要不可欠な栄養であるからです。なので、鉄の吸収率が少なくなると、造られる血液が少なくなってしまうのです。

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造られる血液が少なくなると、そもそも血液の量が少なくなるので、貧血になるのです。しかしこれは、妊婦さんにとって重大な問題です。なぜなら、お腹の中の赤ちゃんに栄養を送るのは、血液を介して行っているからです。

なので、妊娠中に貧血になるのはお腹の中の赤ちゃんのためにも絶対に避けたいところです。また、産後も出産のときにたくさんの出血をしていますし、母乳で赤ちゃんに栄養を与えるので、自分の栄養を蓄えるためにも血液が必要です。

お母さんが貧血を起こしていると、赤ちゃんのお世話は体力勝負なのでままならなくなってしまいます。したがって、妊娠中から産後にかけては、貧血を起こさないようにもビタミンCの摂取が必要不可欠になります。

全身倦怠感・脱力・食欲不振

3つ目は、全身に倦怠感が起きたり、力が入らなくなったり、食欲不振になることです。なぜこれらのような症状が起きるのかというと、ビタミンCが不足したことによって毛細血管からの出血が起きているからです。

ビタミンCが不足することによって毛細血管から出血が起きるのは、コラーゲンの構造が弱くなるからだといわれています。ビタミンCはコラーゲンの合成にも一役買っています。

そのため、からだの中にビタミンCが少なくなると、正常なコラーゲンの合成が行われなくなるのです。内臓や血管、筋肉などからだの中にあるもののほとんどはコラーゲンが関わって形成されています。

それによって、ビタミンCが少なくなってコラーゲンの合成が正常でなくなると、毛細血管が弱くなるのです。からだのどこかで出血が起きると、からだには異変が生じ不調が起こります。その一種として、全身の倦怠感などが起きるのです。

ビタミンCを多く含む食材一覧

ビタミンCを多く含んでいる食材といわれて、柑橘系しか思いつかない方も多いのではないでしょうか。しかし、ビタミンCは意外と様々な食材に含まれているものです。

最もビタミンCを多く含んでいる食材は、すっぱいアセロラです。なんと100gあたり1700㎎も含まれています。甘いアセロラでも100gあたり800㎎のビタミンCが含まれているので、ビタミンCを多く摂取したいときはアセロラが良いでしょう。

日常的なものでいうと、青汁に含まれているケールもビタミンCを豊富に含んでいます。「青汁飲めば健康」なんて謳い文句もよく聞きますが、ケールに含まれているビタミンCは100gあたり1100㎎です。

それから、煎茶もビタミンCを豊富に含んでいる食材です。「お茶なのに?」と思われるかもしれませんが、煎茶はカテキンとビタミンCが相まって、抗酸化作用が非常に高いです。その含有量は、100gあたり260㎎です。

注意してね!ビタミンCは加熱すると熱に溶け出しやすいので、調理をして実際に食べる際には減っていると考えられます。

ビタミンCを食事から推奨量摂ることは難しい

意識的なビタミンCの摂取といっても、食事だけで推奨量摂取するのは非常に難しいことです。それこそ、しっかりと献立を考えないと、他の栄養素が少なくなるわけにもいかないので、バランスの良い摂取が難しくなります。

しかも、妊娠中や産後でも仕事を持っている方や、妊婦さんであっても子育てでしっかりした食事まで手が回らないこともあります。

バランスの良い食事をするためには、品目を多くしなければならなくなるので、そのような食事を毎回作るのは非常に大変です。さらにいえば、ビタミンCは水溶性の栄養素なので、水に溶けだしますし、熱にも弱いです。

ビタミンCが水に溶けやすくて、熱に弱いと何がダメなの?

水に溶けやすく、熱に弱いとビタミンCが豊富に含まれている食材を使ったとしても、洗ったり、加熱調理すると摂取できる量はぐっと少なくなってしまうのです。

ビタミンCが豊富に含まれている食材といえば、ピーマンやブロッコリーですが、これらは加熱して食べるのが一般的ではないでしょうか。加熱すると、4割から6割もビタミンCが少なくなることがあるといわれています。

そのため、できるだけビタミンCは生で食べた方が良いと言われますが、妊婦さんや産後のママはからだを冷やしたくないので、毎回生で食べるわけにもいきません。これらのことから、ビタミンCを食事から推奨量摂取することは難しいのです。

ビタミンCを効率的に摂るなら食生活を見直そう!

食事でのビタミンCの摂取を目指す場合、効率的に摂取することが求められます。効率的な摂取をするためには、食生活自体を見直すことが求められます。食生活を見直すといっても大きく変える必要はありませんが、「あと一品」などで工夫すると良いです。

例えば、デザートや間食は必ずフルーツを食べるなどです。フルーツにはビタミンCが豊富に含まれています。しかも甘いので、甘いものを食べたくなったときでも満足感を得られます。

さらにフルーツを加熱して食べることはほとんどないことでしょう。そのため、ビタミンCをまるごと摂取できるのです。

ここでワンポイント日頃からフルーツを食べるように心がけるだけでも、効率的な摂取をしやすくなります。

妊婦さんにとっても、フルーツは良い食材ではないでしょうか。妊娠中のつわりのときは特に、フルーツだったら食べられるという方も多いです。産後もフルーツであれば食べる時間がとれるという方も多いです。

食事摂取が難しい方はサプリも検討する

しかし、食事の中でビタミンCの推奨摂取量を摂取するのは限界のある場合もあります。栄養をたくさん摂取することにとらわれ過ぎて、それがストレスになることもあり、それは精神衛生上よくありません。

なので、食事での摂取が難しい場合には、サプリでの摂取を検討するのがおすすめです。サプリは足りない栄養を補う目的で摂取すれば、からだに悪い物ではなく、むしろ健康を高めてくれます。

妊娠中の妊婦さんでつわりのひどい方は、味のするものを口にいれたくないほど気分が悪くなることもあります。そんなときに役立つのもサプリなのです。サプリの中でも葉酸も含まれているものを選べば一石二鳥です。

産後も葉酸サプリの摂取が推奨されているので、ビタミンCの含まれた葉酸サプリを摂取すれば、効率的な栄養の摂取ができます。

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まとめ

ビタミンCは非常に身近な栄養素の1つですが、身近すぎて実はよく摂取できていないという方も多いです。しかし、ビタミンC欠乏症を起こすと壊血病や貧血、倦怠感などからだの様々な不調を起こします。

自分だけがビタミンC欠乏症になったというのであれば、それほど心理的負担はありませんが、新生児が壊血病を発症したとなると、心中穏やかではいられません。「自分のせいだ」と責めてしまう産後のママもいます。

妊娠中や産後というのは、お母さんが摂取した栄養が赤ちゃんにダイレクトにいくからこそ、できるだけ多くの栄養を摂取したいところです。ビタミンCもその1つであり、生命維持活動に欠かせない栄養素です。

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妊娠中の妊婦さんだけではなく、産後もしっかりとビタミンCを摂取し、お母さんも赤ちゃんも元気な状態が理想です。それには、ビタミンCの推奨摂取量をできるだけクリアするのが良いです。

ところが、推奨摂取量を食事だけでクリアするのは中々難しいところです。それに、それがストレスになっては元も子もありません。なので、サプリを気軽に利用するなどして、心軽く効率的な摂取をするのがおすすめです。

  • ビタミンCは赤ちゃんの成長のために妊娠中は欠かせない栄養素
  • 食事からビタミンCを摂取しても過剰摂取になる可能性は低い
  • 妊娠から産後まで不足のないように摂り続けることが大切
  • ビタミンCは水に溶けやすく、熱に弱いため食事だけで必要量を満たすのは難しい
  • 食事から摂取するのであれば「フルーツ」から摂るのがおすすめ
  • 食事から摂取するのが難しいなら「葉酸サプリ」がおすすめ