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【妊娠中期】安定期に入ってずっと体調不良なら過ごし方を見直そう!

体調不良に気をつけよう

日本では妊娠期間10ヶ月間を3つの期間に分け、その真ん中にあたる期間を「妊娠中期」と呼びます。

まだ胎盤が完成していない妊娠初期の時期と比べると、胎盤が出来上がり赤ちゃんの成長基盤が据えられる妊娠中期は流産のリスクが減りつわりも落ち着いてくるため、「安定期」ともよばれることがあります。

しかしこれは医学用語ではありませんし、安定期は妊娠中期~後期までをまたいでそう呼ばれるため、厳密には「妊娠中期=安定期」というわけでもありません。

しかしいずれにしても初期と比べれば比較的安定しているとは言え妊娠中ですから、中期と言えども注意点がありますし、適切な過ごし方でより快適なマタニティライフを楽しむことができます。

妊娠中期(安定期)とは?いつからいつまで?

日本において妊娠周期は、最後の生理が始まった時を「妊娠0期」とするため、実際に妊娠が成立する受精卵の着床時にはすでに「妊娠2週目」に入っていることになります。

この数え方で言って、妊娠中期とは妊娠5~7ヶ月の終わり、週で言えば妊娠16週~27週までを言います。

妊娠初期から起きているつわりはどれくらいに治まるの?

大抵の場合ひどいつわりが治まって食事も美味しく摂ることができるようになる時が丁度この妊娠15~16週目です。この頃からを「安定期」と呼ぶのは前述の通りです。

安定期とは「もう流産の心配はない時期」という意味ではなく、胎盤が完成し赤ちゃんが成長するための基盤ができたという意味で「安定した」ということですから、油断は禁物です。

とはいえつわりが治まりお腹も目立つようになり、更に6ヶ月めに入ると胎動を感じられるようにもなって、「赤ちゃんがいるんだ」と妊娠の喜びをグッとかみしめることのできる時期です。是非ともこの貴重なマタニティライフを楽しむようにしましょう。

妊娠中期の胎児の状態は?

妊娠中期のスタートにあたる5ヶ月はお腹が目立ち始めるころですが、この時期の赤ちゃんの主要な臓器は既に完成されており、人間らしい体つきになっています。

聴覚も完成されているので外界の音に反応するようになり、早い人ならこの段階で胎動を感じることができます。

エコーにより胎児の推定体重を計算することができますが、この時期は大体120~300gほどで、17~18週には同じくエコーで性別が判断できるようになります。

6ヶ月になると体重は約600~700gになり、体のバランスは新生児と同じくらいになっています。どんどん赤ちゃんの脳や五感が発達していくため動きが活発になり、ママが安静にしている時には特に胎動を感じやすくなります。

ここでワンポイント6ヶ月ころから体重は1ヶ月で約1.5倍のスピードで増え始め、また羊水も増え始めるのでその中で赤ちゃんがクルクル動いている姿を見ることができます。

7ヶ月に入ると、赤ちゃんの体重はおよそ1200gほどで、手足も長くなってきているのでお腹の中が少し窮屈そうにも見えます。

聴診器を当てれば赤ちゃんの心拍数も聞こえるほどです。味覚・嗅覚も発達し、聴覚も更に鋭敏になるため、この頃に音楽を聞かせるなどの胎教を始めると良いと言われています。

妊娠中期の過ごし方

妊娠中期は妊娠16週~27週までの期間を指し、上記でも説明したとおり「安定期」と呼ばれる時期に入ります。

安定期になるとつわりなどが治まり、体調も良くなってくるでしょう。そうすると今までできなかったことや妊娠後期・出産前に用事を済ませておきたいですよね。

妊娠後期・出産前に用事を済ませておくのも大事ですが、安定期だからといって油断や無理をすると体調を崩してしまいますので気をつけましょう。

妊娠中期の仕事の働き方

安定期に入ってつわりも治まり、再び思うように動けるようになるのが妊娠中期。仕事をしている人はここぞとばかりに頑張りすぎてしまう時期かもしれません。

しかし安定期に入っても流産の危険性がなくなるわけではありませんから、妊娠前と同じ感覚で働くことは禁物です。妊娠初期の時点で上司に妊娠を伝えておくのがベストですが、まだであればすぐに伝え、同僚にも理解してもらうようにしましょう。

更に7~8ヶ月に入るとお腹が張りやすくなりますが、1日に何度も張るようだと要注意です。子宮が収縮しているということですから、無理をせず休むようにしてください。

妊娠中期の食生活&必要な栄養素(鉄+葉酸+カルシウム)

つわりがひどい妊娠初期には何も食べられなかった人も、中期になると落ち着き食欲が出てくるようになります。

この時期には不足しがちだった栄養素を補うためにもバランスの良い食事をしっかり摂るようにしましょう。ただし逆の極端に走って食べ過ぎるのもNG。妊娠糖尿病や妊娠高血圧症などに繋がる為、体重コントロールが大切になります。

妊娠全期間を通して推奨される体重増加量の目安としては、「痩せ型」の人は9~12㎏の増加、「ふつう型」の人は7~12㎏の増加、「肥満型」の人に関しては、担当医との相談、ということになります。

また妊娠中は、非妊娠時の必要摂取量にプラスアルファ必要とされる栄養素があり、「食事摂取基準」において付加的に摂取するよう推奨されています。

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妊娠中期は栄養素に付加量が設定されている 赤ちゃんの成長が著しい妊娠中期はもち……

妊娠中付加量の項目がある栄養素にはビタミンA、D、B1、葉酸、ビタミンC、亜鉛、鉄、ヨウ素など合計18項目がありますが、この中で特に意識して摂るべきなのは葉酸と鉄、カルシウムの3つです。

妊娠中期の葉酸摂取推奨量は、付加量+240μgの480μg/日。は特に妊娠中期以降貧血を起こすケースが増えるため、付加量+15.0㎎を必要とします。

カルシウムに関しては「付加量」はありませんが、そもそも日本女性は通常から不足しがちであるため、妊娠中は特に意識して摂取するよう推奨されています。

妊娠中期におすすめの運動(マタニティ+〇〇)

ウォーキング程度であれば妊娠初期からでもOKですが、それ以外の運動は安定期に入ってからがお勧めです。妊娠中期の適切な運動は体重管理やストレス解消、安産に繋がりますし、むくみや腰痛、冷えの軽減効果もあります。

妊娠中にできる運動として有名な「マタニティヨガ」や「マタニティスイミング」「マタニティエアロビクス」なども全て妊娠中期以降の妊婦さんを対象としています。

いずれも妊婦さんが無理なく行えて、体調を整え出産に向けての体作りをすることを目的にプログラムが組まれているため、是非とも活用したい運動です。

マタニティヨガとかマタニティスイミングってどんなメリットがあるの?

マタニティヨガは、様々なポーズによりお産に役立つ筋肉を鍛え、妊娠中負担がかかりやすい部分の緊張をほぐしてくれます。

マタニティスイミングは水中で行うことにより、浮力のおかげで全身運動を無理なく行うことができるというメリットがあります。

運動により肩凝りや浮腫み、腰痛なども緩和されます。マタニティエアロビクスは妊婦さんに特化した有酸素運動で、一定時間続けて行うことで体力や持久力を高めることができます。

出産時に必要な筋肉を鍛えることもできるため、お産前には是非行っておきたい運動です。

適度な運動をこころがけましょう

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妊娠中期の睡眠について

妊娠中の理想の睡眠時間は1日7~8時間とされていますが、実際には個人差がありもっと短くても元気な人、もっと長く摂らないと不調になる人、様々です。

ただ、人の体内時計のコアタイムは午前0時~6時であるため、この時間を包含した睡眠を摂ることが理想とされています。実際、午前0時より早くに就寝している妊娠女性の方がマイナートラブルを感じる割合が低くなるという結果が報告されています。

また一般的には、妊娠中、特に妊娠中期に入ると睡眠量が増えると言います。これは妊娠期間を通して活発に分泌され続ける黄体ホルモンによる影響に加え、妊娠中期以降に起こりやすい貧血によるものと考えられます。

黄体ホルモン(プロゲステロン)は体を高温に保って妊娠を継続させるために分泌されるホルモンですが、これには体を休ませようとする働きもある為、睡眠を促します。

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胎児の成長により血流量が増えることで妊娠中期は鉄欠乏貧血になりやすいのですが、これが倦怠感や疲労感、眠気に繋がるとされています。

従って妊娠中期の眠気は自然なことであり、可能であれば体の欲求に従ってしっかり睡眠を摂ることが勧められているのです。

妊娠中期の代表的な症状

妊娠中期に入ると多くの人はつわりが治まり、胎盤が完成するため流産する危険性は下がります。

心身ともに安定する妊娠中期ですが、人によってはつわりや便秘、貧血などの症状が現れるかもしれません。お腹が大きくなることによって色々な症状が現れますので確認してみましょう。

中期つわり(安定期に入ってもつわりがある)

妊娠初期にはつわりに悩まされた人も、胎盤が完成した中期以降は楽になることが多いのですが、人によっては安定期に入っても吐き気や嘔吐、胸やけ、胃もたれなどのつわりの症状に悩まされることがあります。

妊娠中期のつわりの原因として考えられるのは、プロゲステロンの過剰分泌です。プロゲステロンは妊娠期間中ずっと分泌され続けるホルモンで、これがつわりの要因となっているのではないかと言われているのです。

安定期に入ると胎盤から分泌されるようになるため普通つわりの症状も和らぎます。しかし何らかの原因で中期以降も過剰に分泌されると、妊娠初期と変わらずつわりに悩まされることがあります。

注意してね!胎児が急激に成長していく中期以降は、子宮が大きくなって胃を圧迫し消化器官の機能を低下させるため、普段より長く食物が胃の中に停滞して胃もたれやムカムカの原因になります。

胃酸も過剰に分泌されたり逆流しやすくなったりするため、吐き気や嘔吐といった症状にも繋がります。

便秘(痔)・頻尿

妊娠中期に多い症状として、便秘とそれに伴う切れ痔、頻尿があります。

妊娠中便秘になりやすいのは、プロゲステロンの働きにより腸の筋肉が緩み動きが鈍くなってしまうため、また特に中期以降は子宮がどんどん大きくなり腸が圧迫されて更に動きが鈍くなってしまうためです。

また頻尿とは朝起きてから夜寝るまでの排尿回数が8回以上あることを指しますが、特に妊娠中期は母体の血液生産量が最大となり、この血液が腎臓でろ過される際に「原尿」という尿の元になるものができるために起こりやすくなると言われています。

加えて大きくなっていく子宮が膀胱を圧迫することも原因です。

眠りが浅い・寝不足

妊娠中に分泌され続けるプロゲステロンには眠気を引き起こす作用があるのですが、一方でイライラなどの精神不安定な状態を引き起こすこともあり、これが妊娠中の不眠に繋がることがあります。

特に妊娠中期以降になるとお腹が大きくなるためうつ伏せや仰向けで寝られなくなるなど、快適な睡眠姿勢がとれなくなります。これらの要因が眠りを浅くし寝不足になることがあるのです。

睡眠姿勢が原因でよく眠れない時は、抱き枕で横向き姿勢を取りやすくすると良いかもしれません。またできるだけ神経を鎮めるために、睡眠前のスマホやパソコン、テレビなどの使用を控えるようにしましょう。

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貧血(中期以降は妊婦の鉄分の付加量が多い)

貧血とは赤血球に含まれているヘモグロビンが不足している状態、つまり血液が薄くなっている状態で、ヘモグロビンは血流に乗って酸素を全身に運ぶ役割を担っているためヘモグロビン不足により体が酸欠の症状を起こします。

妊娠中期の女性が貧血を起こしやすいのは、成長していく胎児に多くの酸素や栄養を送る必要があることから、母体の血液量が増えるためです。

血液が増えると言っても殆どが水分でできている血漿が増えるだけなので、血液量に対してヘモグロビンが少ない状態、つまり貧血となるのです。

妊娠中に貧血になってしまうとどんな症状がでるの?赤ちゃんに影響はない?

貧血になると動悸や息切れ、疲労感、眩暈、頭痛などの症状が現れるだけでなく、胎児へ悪影響を及ぼす危険性もあります。

考えられるのは、栄養と酸素が十分に届けられないことによる発育不良、未熟児での出産、流産や早産のリスクさえあります。従って、妊娠中期は意識して鉄分を摂取することが必要なのです。

妊娠中期に起こりうる代表的な異常

妊娠中期に起こりうる代表的な異常をご存知でしょうか。安定期に入るとはいえ、油断していると妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群など重大な病気を引き起こしてしまうかもしれません。

そういった異常が引き起こされないためにも、どういった異常があるのか、何が原因で引き起こされるのか、確認しておきましょう。

妊娠糖尿病

妊婦全体の約12%が経験すると言われる妊娠糖尿病は、妊娠前には全く問題がなかったのに妊娠による体質の変化で引き起こしてしまう糖尿病のことを言います。その主な原因は妊娠中に分泌されるホルモン。

母体のブドウ糖を胎児へ優先的に届けるために分泌されるホルモンにはインスリンを抑える働きがあるため、妊娠中は血糖値を抑えにくい状態となり、今までなら問題なかった食事内容であったとしても、通常より血糖値が上がりやすくなってしまうのです。

妊娠糖尿病は多くの場合出産後に自然に治るのですが、だからと言って放っておいて良いものではありません。

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母体の血糖値が高い状態だと必要以上のブドウ糖が胎児に供給され、巨大児になる危険性があります。

また、必要以上のブドウ糖を処理するために赤ちゃん自身のインスリン分泌量が増え、出生後にインスリン過剰となって血糖値が著しく低下してしまう可能性もあります。こうなると出生後すぐに昏睡状態になってしまう危険性があるのです。

妊娠高血圧症候群

かつては「妊娠中毒症」と呼ばれていた、妊娠高血圧症候群。妊娠20週以降から赤ちゃんを産んだ後12週までの間に、高血圧あるいは高血圧と蛋白尿の両方の症状が出ることを言いますが、実はこの原因はハッキリとは分かっていません。

ただ、妊娠糖尿病になると体は血糖値を正常に戻そうとして尿量を増やし体外へ排出しようとするため、体が水分不足となって血液の濃度を上げ、これが高血圧を引き起こすと言われています。

妊娠高血圧症は、それに伴って様々な合併症を引き起こします。

  • 「子癇発作」と呼ばれる全身痙攣や意識喪失
  • まだ胎児がいる間に胎盤が剥がれてしまう「常位胎盤早期剥離」
  • 血小板が減少することで血液凝固障害や多臓器障害などを引き起こす「HELLP症候群」

などのこれらがそれにあたります。

また胎児に十分な栄養や酸素が行き届かず、発育不全や低出生体重児、更には低酸素症による脳障害といったリスクもあり、妊娠高血圧症には十分の注意が必要です。

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切迫早産

「早産」とは妊娠22~36週までの間に赤ちゃんが生まれてしまうことで、「切迫早産」とは早産しかかっている、あるいはそのリスクが高くなっている状態のことです。

具体的には、子宮収縮が頻繁に起こる、子宮口が開く、破水して羊水が漏れているなど、本来妊娠37週以降に起こるはずの症状が見られます。切迫早産の主要な原因として挙げられるのは、「絨毛膜羊膜炎」です。

これは赤ちゃんを包んでいる絨毛膜と羊膜が細菌感染によって炎症を起こしている状態で、これにより前期破水が引き起こされます。このような炎症は主に性交渉によって膣内の細菌が子宮内に感染することで起こります。

細菌感染だけに気をつけていたらいいの?

その他には、子宮頚管無力症や子宮筋腫、子宮奇形、妊娠高血圧症などの病気、更には精神的なストレスや疲労も原因になり得ます。

切迫早産になっても医師の指導に従えば、正常妊娠へ回復することもあります。切迫流産になった場合は勿論のこと、そうなる前の予防のためにも、無理をせずゆっくり休む時間を摂るようにしましょう。

妊娠中期の注意点

妊娠中期も何事もなくゆっくりと過ごすためにも、注意点を解説していきます。妊娠中期の次は妊娠後期に入り、いよいよ出産です。

少しでも出産の負担を減らすためにも、これから解説する注意点には気をつけておきたいところです。飲酒や喫煙などの有名なところからビタミンAの過剰摂取など、あまり有名ではないものまで解説するので確認しましょう。

アルコール・喫煙の禁止

妊婦のアルコール摂取や喫煙により胎児が受ける影響のことを、「被爆」と言います。つまりそれほど強力で有害な影響を与えることが分かっているのです。

胎児のアルコール被爆により、流産や死産、また無事生まれてきたとしても障害を抱えるリスクは高くなります。例えば成長障害、発育遅延、中枢神経障害、頭蓋顔面奇形、心奇形などの様々な奇形障害で、このような先天異常を「胎児性アルコール症候群」と呼びます。

タバコに関しては、妊娠中の喫煙は論外で、妊婦の喫煙によって子宮内胎児発育遅延や早産率が高まるのは有名な話です。

タバコの話ってよく聞くけど、どれくらい危険なの?

1日当たりの喫煙本数とこれらのリスクの比率は比例しているといわれています。

例えば非喫煙者の早産率が6%であるのに対し、1日あたり6~10本喫煙する妊婦の早産率は11%、21~30本であれば25%、31本以上になると33%にまで上がってしまうという結果が出ています。

妊娠中の喫煙によって、生まれてきた赤ちゃんが神経発達障害を引き起こす可能性もあることが指摘されています。

ビタミンA(レチノール)の過剰摂取を避ける

ビタミンの中でも脂溶性のビタミンは過剰摂取すると体内に溜まりやすく、これにより過剰症を起こす可能性があるとして、1日当たりの摂取上限量が定められています。

特に妊婦の過剰摂取に注意が呼びかけられているのが、ビタミンA。ビタミンAを過剰摂取した場合、眩暈や悪心、頭痛、頭蓋内圧の上昇などの過剰症が起こるほか、妊婦の場合は大切な赤ちゃんの先天異常のリスクが高まるとされています。

ただし、このような過剰症を引き起こすのは、ビタミンAの中でもレチノールやレチノイン酸といった動物性ビタミンAの方です。βカロテンのような体内で必要量だけビタミンAに変換されるプロビタミンAにはそのような心配はありません。

レチノールを多く含むのは、ウナギやレバー、レチノイン酸は特にサプリメントに配合されています。そのため、妊娠中はビタミンAのサプリメントを控え、ウナギやレバーなども摂り過ぎないようにと言われているのです。

食中毒(トキソプラズマ&リステリア)

抵抗力が弱まる妊娠中は食中毒にも注意したいものですが、中でも胎児に影響を与える危険性のあるものとして、トキソプラズマやリステリアが挙げられます。

トキソプラズマは豚やネズミ、猫、鶏などに寄生する寄生虫で、人へは猫の糞に触れたり生ハムや鳥刺などの十分加熱していない肉を食べることで感染します。

妊婦がトキソプラズマに感染した場合、母子感染によって胎児に脳性麻痺や低出生体重、精神・運動機能障害などの先天性トキソプラズマ症を発症する可能性があります。

ヒトが感染すると、多くの場合は無症状で経過しますが、微熱が出る程度の軽い症状を示すことがあります。しかし、妊娠中に胎盤を経て胎児が感染すると、流産や死産を引き起こす原因となるだけではなく、生まれてくる赤ちゃんに脳や眼の障害が生じる場合があります。
感染を予防するためにも、豚肉は十分に加熱して食べてください。調理器具もよく洗い、熱湯をかけて消毒してください。また、土壌を触った後、又はネコなどの動物の糞尿を処理した後は、よく手を洗ってください。

リステリアは自然界に広く見られる細菌ですが、人へはスモークサーモンや発酵させた生肉、殺菌のされていないミルクやアイスクリームなどから感染します。

リステリアに感染しても健康な人の場合その症状は軽いものですが、こと妊娠中の女性はリステリアに感染しやすく症状も更に重篤になることがあります。

流産や死産の原因にもなりますし、母子感染により新生児には低出生体重や敗血症、髄膜炎などを起こす可能性もあるとされています。

魚介類等に含まれるメチル水銀

メチル水銀は食物連鎖により魚介類に多少含まれる物質で、許容量を超えて摂取すると神経障害を引き起こします。

しかし厚労省では、神経障害のリスクのあるメチル水銀摂取下限値をはるかに下回る量でも妊娠中の女性が摂取した場合、生まれてくる子供の運動機能や知能発達に悪影響を及ぼすリスクがあるとして発表しています。

それによると、1回の摂取量を80g未満として、週に1度の摂取に留めたいのは金目鯛、メカジキ、メバチマグロ、マッコウクジラなど、週に2度の摂取に留めたいのはマカジキやミナミマグロ、キダイ、クロムツなどです。

つまり食物連鎖の上位にいる魚類(鯨も含む)に注意が促されています。

妊娠中期は鉄配合の葉酸サプリで栄養補給

妊娠初期は特に胎児の脳や脊髄、神経系統が形成されるため、細胞分裂の際の核になるDNAを作り出すのに欠かせない葉酸を多く必要としています。

そのため妊活中~妊娠初期にかけては葉酸を通常より400μg多い640μg/日摂るようにと言われているのですが、胎盤が出来上がった後の妊娠中期以降も、通常より240μg多い480μgの葉酸を摂るようにと推奨されています。

というのも、葉酸には細胞分裂だけでなく赤血球の生成をサポートする働きもあるためで、妊娠中期以降は造血作用により貧血になりやすいことから、貧血予防に欠かせない成分と言われているのです。

葉酸は貧血の予防しかできないの?

葉酸には他にもコレステロール値を下げる働きがあるとも言われており、妊娠中期から起こしやすい妊娠高血圧症の予防にも効果があると言われています。

葉酸1日480μgを食事からのみで摂取することは難しいため、妊娠中は葉酸サプリで補うことが勧められています。特に鉄分も一緒に配合された葉酸サプリなら、妊娠中期の貧血予防効果を更に上げてくれるだけでなく、出産後母乳育児にも良いためお勧めです。

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まとめ

「安定期」と呼ばれるものの、ママの体は依然妊娠中でデリケート。何より大切な赤ちゃんへの影響を考えれば、妊娠中期の過ごし方にも注意が必要です。

妊娠初期に比べれば流産の危険性は減りますが、それでもお腹が異常に張る、痛みや出血がある、おりものが多いなどの症状が続くようなら担当医に相談しましょう。切迫早産気味と言われたなら安静にしておかなければなりません。

体調が安定することで活動的になる人も少なくありませんが、無理をせずできるだけ下半身に負担をかけないようにしてください。極力重いものは持たないようにするのが基本です。

つわりが治まり食欲が出てくる時期でもありますが、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症のリスクも考え、体重コントロールを忘れないようにしてください。

同時に葉酸や鉄分、カルシウムなどの栄養素を積極的に摂るよう心がけましょう。基本的には食事から栄養素を摂ることがベストですが、葉酸のようにサプリメントを補助的に使うことが勧められている栄養素もあります。

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  • 妊娠16週~27週から妊娠中期に入る
  • 安定期とは胎盤が完成し基盤ができたという意味
  • 17~18週にはエコーで性別が判断できるようになる
  • 安定期でも無理をせず、食事に気をつける
  • お腹が大きくなるにつれて妊娠中期特有の症状が現れる
  • 妊娠中期に気をつけないといけない注意点が4つある
  • 葉酸サプリで鉄分を補わないといけない