基礎知識

成人女性の70%以上がサイトメガロウイルスに感染…妊婦は要注意!

成人女性の70%以上がサイトメガロウイルスに感染

みなさんはサイトメガロウイルスをご存知ですか。実はこのウイルスはどこにでも存在していて成人女性のほとんどが感染しているのです。

ただ、多くの人は免疫を持っているため症状がでることなく、気づかないままだったのです。しかし、最近では免疫を持った女性がドンドン減少してきています。

免疫がない状態で妊娠中に感染すると赤ちゃんに悪影響を及ぼしてしまうかもしれません。そこで今回はサイトメガロウイルスの感染経路や症状、予防法などまとめて解説していきます。

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サイトメガロウイルスとは?

サイトメガロウイルスとはあまり聞いたことがないと思いますが、実は世界中で蔓延しているヘルペスウイルスです。略して「CMV」とも呼ばれています。

ここでワンポイントすでに感染している成人女性は元々90%近くいましたが、現在は70%ほどまでに低下してきています。

感染している人が減って良さそうにも思えますが、この減少はサイトメガロウイルスに対して免疫(抗体)を持っている人が減少しているともいえます。

免疫を持っているとサイトメガロウイルスに感染してもほとんど症状がなく、あったとしても風邪を引くぐらいです。そのため、感染していることに気づいていない人がほとんどです。

健康な子供や大人が感染したとしても健康に問題はありません。しかし、妊娠中に初めて感染すると問題です。

過去にサイトメガロウイルスに感染していて、免疫が作られている妊婦さんなら妊娠中に感染しても免疫が戦ってくれるため問題ありません。

しかし、妊娠中に”はじめて”感染すると免疫を持っていないため、母子ともに危険になってしまう可能性があります。

(参考サイト:NIID国立感染症研究所「サイトメガロウイルス感染症とは」)

感染しているほうがいいの?

そうじゃ。少しややこしいのじゃが、このウイルスは感染して免疫を持っていることが大切なのじゃ。

過去に感染していても再活性化することも!

サイトメガロウイルスは基本的に妊娠中に初めて感染するのが問題ですが、まれに過去に感染して免疫を持っていても再活性化することがあります。

現在、再活性化する理由についてはわかっていませんが、医療の世界では免疫抑制・炎症・別の感染・ストレスなどが原因だといわれています。

大人がサイトメガロウイルスに感染した場合の症状

免疫機能が正常に働いていれば感染したとしても症状はでないままです。しかし、まれに以下のような症状がでることがあります。

  • 発熱
  • 倦怠感(体がだるい)
  • 喉が痛くなる
  • 首にあるリンパ節が腫れる

風邪だと思うような似た症状がでてきます。とくに命に関わるような危険な症状はでませんので安心してください。

ただ、免疫力が低下することによって肺炎や胃腸炎、網膜炎などの炎症を起こすことがあります。がん患者やHIV感染者など免疫機能が働いていない人だと命を落とすこともあります。

赤ちゃん(胎児と新生児)への影響はある?

サイトメガロウイルス感染による赤ちゃんへの影響は「症候性」「無症候性」の2つに分かれます。

症候性とは病原体による感染によって明らかな病変が認められる状態を意味するのです。反対の無症候性は病原体に感染していながらも明確な症状が現れないことをいいます。

(参照サイト:小児慢性特定疾病センター「先天性サイトメガロウイルス」)

赤ちゃんにまで影響するの!?

そうじゃ。しかも大人よりも症状が多く、重大なものもあるからチェックしておくのじゃぞ。

症候性の症状

症候性の場合は以下の症状が現れます。

症状名 症状の内容
胎児発育遅延 赤ちゃんの発育が遅れるまたは止まる
低出生体重児 2500g未満で生まれた赤ちゃん
肝脾腫 肝臓と脾臓(ひぞう)が肥大化すること
脳室内石灰化 脳内が石灰化(カルシウムが沈着)。症状は物忘れや歩行障害など
脳室拡大 脳内の流れが悪くなり、脳室が大きくなる
肝機能異常 肝臓の機能に異常がでる。肝硬変などの原因に
血小板減少 軽い怪我でも出血しやすくなる
網膜炎 網膜の炎症。症状は物が見えにくくなるなど
けいれん 自分の意思とは無関係に筋肉が強く収縮する

症候性だと上記以外にも最悪の場合は「流産」や死産の原因になる可能性もあります。個人差が激しく、症状や障害の重さがさまざまです。

無症候性の症状

出生したとき無症候性だった場合でも、後になって障害が現れるときもあります。そのときに現れる障害は以下になります。

症状名 症状の内容
難聴 聴覚が低下した状態のこと
精神運動発達遅滞 運動能力・精神面の発達が遅れる
てんかん 異常な神経活動によってけいれんなどの発作が起きる

生まれたときは症状がない無症候性ですが、後になって何かが原因で上記のどれかが発症するという可能性もあります。

サイトメガロウイルスが感染する原因

お腹の中の赤ちゃんが感染するのは「胎内感染」です。妊娠中の母体が初めて感染すると免疫がないため、胎盤を通して感染します。

そのため、お腹の赤ちゃんの感染を予防するためには母体が感染することを防がないといけません。母体の感染さえ防げれば赤ちゃんも予防できるということになります。

サイトメガロウイルスは感染した人の体液に含まれています。涙や唾液、血液、尿、母乳などの体液と接触することによって感染します。

一度感染している場合、再活性化がないかぎり感染しません。

妊娠中に感染する経路として最も多いのが「お腹の赤ちゃんの兄弟」と「周囲の子供」です。赤ちゃん以外に兄弟や周囲に子供がいる環境だと世話をすると思います。その世話をしてあげるときに感染している可能性が高く、気をつけなければいけません。

ただ、感染すると思っても子供を離さないであげてください。子供にとって母親は唯一無二の存在です。いつも通り接してあげてください。

周囲の子供が感染する原因になるんだね…

そうじゃな。しかし、子供が感染経路じゃからといって離さないようにするのじゃぞ。

子供からの感染は予防できる?

いつもどおり子供に接すると感染するリスクは下がらないので下記のことに注意してみてください。そうすれば感染するリスクを下げることができます。(参照サイト:東京大学医学部産科婦人科学教室「妊娠中のサイトメガロウイルス母子感染に注意しましょう」)

  1. 手はいつも清潔にしておく。子供の食事やオモチャの後片付けなどをしたときは普段よりきれいに手を洗う。
  2. サイトメガロウイルスは石鹸やアルコールなどに弱いので、子供の唾液がついた布団やオモチャ、家具などをきれいに拭き取る
  3. 唾液のついた子供の手やオモチャなどが口に入らないようにする。
  4. 子供が食べたものや飲んだものは別にして、お箸やスプーンも別にする。
  5. 子供とのスキンシップのとき頬や唇にキスをするのではなく、おでこにキスをするかハグにする。
  6. サイトメガロウイルスは乾燥にも弱いので、布団などは定期的に干して乾燥させる。

保育士など仕事の関係上、子供と触れ合う機会が多い方は特に上記6つのことをできるかぎり行いましょう。

ここでワンポイントパートナーにも上記のことを協力してもらうことで感染するリスクをより下げることができます。

感染率はどれくらい?

既に免疫を持っている70%の妊婦さんだと再活性化による感染率は「およそ0.2%~2%」だといわれています。そこから胎児に0.5%~1%症候性、出生児の数%に障害が発生します。

免疫を持っていない30%の妊婦さんだと「1%~2%」の確率で母体に感染します。感染した母体の40%が胎児に感染していきます。

ここからさらに「症状が出る出ない」、「障害が出る出ない」で分かれていくので、多くの赤ちゃんは無症状で生まれてくることができます。

たとえ妊娠中に感染したとしても、ほとんどの赤ちゃんには症状が見られないので中絶は選択しないでください。

大人と赤ちゃんの検査内容の違い

サイトメガロウイルスになっていないか母子ともに気になりますよね。もし、妊活の段階で感染していないことに気づけたら妊娠したときに予防ができます。

また、赤ちゃんの健康状態も早く知りたいと思う方もたくさんいるでしょう。そこでそれぞれの検査方法を紹介します。

大人の検査

大人が行う検査は一般的に血液を採って行う「抗体検査」です。ただ、症状が出てから検査を行うのが現実的です。

内科もしくは産婦人科で検査を行うことができます。検査ができる病院とできない病院があるので、病院に確認してから行きましょう。

赤ちゃんが感染しているか検査する方法

お腹の中の赤ちゃんが感染しているのか分かるのは21週ごろです。21週ごろになると赤ちゃんの尿の中にウイルスが出始めます。

その尿が羊水となるので、21週ごろに羊水を採取して検査を行います。時期がずれていたりすると感染していても反応しない偽の陰性がでることも多く信用はそこまでできません

ここでワンポイント検査は状況によっては危険だと判断されてできない場合もあります。

サイトメガロウイルスの治療法

母親の感染は安静にしておくことが治療となります。安静にしておけば4週~6週ほどで免疫ができ自然に治ります。

その後、サイトメガロウイルスの免疫は一生体内に残って守り続けていくのです。。免疫ができることによって症状などは軽減されていきます。ただ、再活性化がないように免疫力の低下やストレスなどを溜めないようにしましょう。

赤ちゃんの治療法ですが、残念ながら今のところ有効な方法は確立されていません。症候性の赤ちゃんには抗ウイルス薬が有効ともいわれていますが、意見は一致していません。

抗ウイルス薬は副作用などの安全性や症状に対しての有効性も十分に検討されていないので、期待はしないほうがいいかもしれません。

まとめ

サイトメガロウイルスに対して成人女性の90%は免疫を持っていたのですが、その数は減少し、今では70%にまで落ちてきています。

感染確率は最大でも2%ほどで低くなっていますが、感染した場合は赤ちゃんに精神運動発達遅滞などの障害をもたらすかもしれません。最悪の場合は流産、死産の原因にもなってしまいます。

サイトメガロウイルスは大人には症状が現れにくく、とても気づきにくいもので、治療法も有効なものが見つかっていません。

感染すると大変な病気ですが、手洗いなど身の回りのものを清潔にするだけで感染するリスクは下げることができるので、できることから始めてみましょう。

  • 70%近くの成人女性がサイトメガロウイルスに感染している。
  • 妊娠中に初めて感染すると赤ちゃんの障害の原因にも。
  • 感染率は2%と低いが、感染すると治療法がない。
  • 身の回りのものを清潔にして予防をする。