「妊婦さんは赤ちゃんの分まで沢山栄養を摂らなければならない」という考え方はもう古い昔のもの。妊娠中毒症の危険性も考えると、妊娠中の体重コントロールは不可欠です。
一方で、近年では体型を気にしてか痩せすぎの妊婦さんも多く、低出生体重児の増加も問題になっており、バランスのとれた見方の必要性が叫ばれています。
つまり大切なのは、必要な栄養素を適度にバランスよく摂ること。しかし具体的に妊娠中は何をどの程度摂取すれば良いのか分からないという人も多いでしょう。そこで重宝するのが、「食事バランスガイド」です。
妊娠中の食事バランスガイドとは?どういう目的で使うの?
「食事バランスガイド」とは、厚生労働省と農林水産省が共同で作成した「1日当たり何をどれくらいの量食べるのが健康的か」を示す表のことで、性別や年齢、活動量の多さに合わせてそれぞれに適切な栄養バランスを知ることができるようになっています。
中でも難しい妊娠中の栄養バランスを分かりやすく説明したものが「妊産婦版」。食品全般を大きく「主食」「副菜」「主菜」「乳製品」「果物」の5つのカテゴリーに分け、これを「コマ」に例えてイラスト化しています。
「食事バランスガイド」とは、1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかが一目でわかる食事の目安です。「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」の5グループの料理や食品を組み合わせてとれるよう、コマにたとえてそれぞれの適量をイラストでわかりやすく示しています。
コマ本体は1日分の食事で、イラスト化されているお皿の数で必要量が簡単に計算できます。
また妊産婦版食事バランスガイドには、「非妊時」を基準として「妊娠初期」「妊娠中期」「妊娠末期・授乳期」のそれぞれの期間にプラスして何を何皿食べると良いかも分かる表も載せられています。
これを参考に、1日の食事内容を決めていけばとりあえず安心です。とはいえ、つわりなどで思うように食事が摂れない日もありますから、何が何でもこの通りにしなくては!と考える必要もありません。
バランスガイドに無理に従う必要はないんだね。でも大丈夫なの?
あくまで目安で、例えば朝食が少なかったのなら昼食や夕食、間食などで不足分を補う、という風に柔軟性を持たせると良いでしょう。
妊娠中の体重増加は望ましい量にする
前述の通り、妊娠中の急激な体重増加は妊娠高血圧症や難産などの原因になりますし、逆に妊婦さんの痩せすぎは胎児の栄養不足による発育不全、出産後の母乳不足などの問題を引き起こします。
従って、妊娠中の適切な体重増加は母子両方の健康にとって欠かせません。妊娠中の適切な体重増加は妊娠前の体型によって異なり、「体重(kg)÷身長(m)×身長(m)」で計算されるBMI値から割り出すことのできる「低体重」「普通」「肥満」を参考にします。
「低体重(BIM18.5未満)」の人は妊娠全期間中で推奨される体重増加量は9~12kg、「普通(BIM18.5~25.0)」の人は7~12kg。
そして「肥満(BIM25.0以上)」の人はおよそ5kgを目安に、BIMが25.0を著しく超える場合には個別の対応が必要となる為医師に相談することが望ましいと言われています。
食事バランスガイドでは「5つの料理グループ」にわけて「〇つ(SV数)」で数える
食事バランスガイドでは、栄養素を1日当たり必要量の多い順に「主食」「副菜」「主菜」「乳製品」「果物」の5カテゴリーに分け、必要摂取量を「○つ(SV)」という単位で表しています。
この「SV」とは「サービング」の略で、それぞれの料理について1回あたりの標準的な量を表す単位として用いられています。
基準となっているのは「非妊娠時」で、活動レベルが「普通」の20~49才女性を目安にしているため、コマの中に描かれている料理例をトータルすると約2200kcal、つまりごく一般的な女性の1日当たりの必要摂取カロリーになります。
これを基準に、妊娠中期は副菜や主菜、果物をプラス1sv~という風に追加していけばよいわけです。
「主食」主食とは?簡単な数え方
食品バランスガイドのトップに挙げられている「主食」とは、パンやシリアル、米、うどん、パスタといった炭水化物のことです。
非妊娠時~妊娠中期までは5~7つ(sv)が適量で、妊娠末期から授乳期にかけてはプラス1つ、つまり6~8sv摂るのが望ましいとあります。
1つ分の基準は穀物由来の炭水化物にして約40g、具体的には食パン1枚、ご飯なら小盛1杯、麺類なら1/2人前。1.5つ分で言えばご飯中盛1杯、2つ分ではうどんやパスタなどの麺類1人前となります。
具体的に当てはめてみますと、妊娠初期や中期で主食を1日6つ摂るとすれば、中盛ご飯4杯(1.5×4)、あるいは主食にバリエーションを持たせるとすれば食パン2枚+うどん1人前+ご飯小盛2杯(1×2+2+1×2)程度ということになります。
「主食」を中心にエネルギーをしっかりと
「炭水化物抜きダイエット」が注目を集めるほど、「太るモト」と見なされがちなご飯やパン、パスタなどの主食ですが、妊婦さんが極端に炭水化物を避けると胎児に悪影響を及ぼすことが海外の研究で明らかになっています。
イギリスのある研究機関によると、妊娠初期の炭水化物摂取量と子供が6~9才になるころの体脂肪率の関係を調査したところ、炭水化物を制限しすぎた妊婦の子供は体脂肪率が高く肥満になる傾向にあり、生活習慣病のリスクが高まることが分かりました。
これは母体が炭水化物つまり糖質の摂取を極端に抑えたことから遺伝子の機能に変化が起こる為ではないかと言われています。
妊娠前半に炭水化物の摂取量が少ないと、6〜9歳頃に体脂肪量が多くなり、その背景にあるエピジェネティックの変化も明らかになりました。他に、葉酸やビタミンB群、亜鉛、グリシン、メチオニン、コリン、ビタミンD等の多様な栄養素が胎児・乳幼児の遺伝子の働きを調節しているのです。
「小さく産んで大きく育てる」というフレーズができたほど、胎児は小さい方がお産が楽だと勘違いしている人も多いようですが、実際には低体重児の出産はトラブルが起こりやすく、母子双方にとって良いことではありません。
脂肪を控え代わりに炭水化物をしっかり摂ることで日々の必要エネルギーをチャージしていきましょう。
炭水化物は制限しないほうが良いんだね!
そうですね。ただ、妊娠糖尿病のリスクのある人、BIM値が25.0をはるかに超える肥満型の人の場合は、炭水化物の摂取量について担当医と相談してください。
「副菜」副菜とは?簡単な数え方
食品バランスガイドで2番目に多く摂取するよう勧められている「副菜」とは、野菜やキノコ、海藻、芋などの穀類、つまりビタミンやミネラル、食物繊維を多く含む食品のことです。
副菜の推奨摂取量は非妊娠時と妊娠初期で5~6つ、妊娠中期~授乳期まではプラス1つで5~7つとされており、1つ(sv)分の基準は約70gとなっているのですが、特に野菜は食べ方によって摂取できる量が極端に異なる場合があるので分かりにくいかもしれません。
1日の副菜メニュー例としては、野菜サラダ+野菜の煮物+ほうれん草のお浸し+具だくさん味噌汁+きのこのソテーで合計6つとなります。
元々現代人は不足しがちな栄養素であるため、意識して沢山摂るようにすると良いでしょう。火を通してかさを減らして食べるのがお勧めです。
不足しがちなビタミン・ミネラルを「副菜」でたっぷりと
副菜となる野菜やキノコ、海藻類にはビタミンやミネラル、食物繊維がタップリと含まれています。中でも妊娠中に多く摂取するよう呼びかけられているのが葉酸。
赤ちゃんの神経管閉鎖障害リスクを減らす栄養素として注目されており、厚労省でも通常の食事にプラスしてサプリメントなどから補助的に摂取するよう勧められています。
鉄分は赤ちゃんに酸素や栄養素を届ける血液を作る重要な栄養素なので、胎児の発育に欠かせませんし、ママの貧血予防のためにも必要です。
更にカルシウムも赤ちゃんの骨や歯の形成に不可欠なミネラルですが、元々日本女性はカルシウム摂取量が足りていないと言われています。
特に妊娠中は優先的に胎児へカルシウムが送られるため、ママの体がカルシウム不足となり骨粗鬆症やイライラ、情緒不安定などの症状を引き起こしてしまいます。
これらのビタミンやミネラルをタップリ含んでいるうえ、カロリーは低く過剰摂取の心配もないのが緑黄色野菜や海藻類です。元々これらの副菜は不足しがちな人が多いので、妊娠中はプラス1皿と言わず2~3皿増やしても良いかもしれません。
「主菜」主菜とは?簡単な数え方
「主菜」とは、肉や魚介類、卵、大豆製品などの動物性及び植物性のたんぱく質を豊富に含む食品のことです。
メインディッシュとなる料理は好物であればあるほど沢山食べてしまいがちですが、実は食品バランスガイドによると1日の適量は非妊娠時及び妊娠初期で主食と比べて約半分の3~5つ(sv)。
妊娠中期から末期、授乳期にかけてはプラス1つの4~6つを摂ることが推奨されています。
1つ(sv)分のたんぱく質含有量はおよそ6gが基準で、調理した牛肉や豚肉などの赤肉で言えば約65g、鶏肉などの脂肪の少ない鳥肉なら約40g、調理した魚なら約50g、卵で約1個(70g)、あるいは豆腐であれば約100gに相当します。
からだづくりの基礎となる「主菜」は適量を
好物の主菜はついつい食べすぎてしまうという人がいる一方、ダイエットなどの影響で慢性的にたんぱく質が不足しているという女性も少なくありません。
そもそもたんぱく質とはアミノ酸の集合体であり、食品から摂取したたんぱく質は一旦アミノ酸に分解されます。
その後再び筋肉や肌、ホルモン、骨などの体を構成するたんぱく質に作り変えられて体は常に新しい細胞に生まれ変わっているのですが、妊娠中はこれが胎児の体の形成のためにも使用されます。
つまり妊娠中は赤ちゃんの分までたんぱく質を必要としているということなのです。加えて主菜である肉や魚、卵にも鉄分が多く含まれており、ほうれん草やひじきなどの植物性食品に含まれる鉄分より体内吸収率が高いと言われています。
妊娠中不足しがちな鉄分を補給するためにも、主菜を適量摂る必要があるわけです。ただ心配なのは、肉類に多く含まれている脂肪分。それで主菜を用意するにあたっては脂肪を落とす工夫をしましょう。
脂肪を落とす工夫って具体的にどうする方法があるの?
脂身の部分をカットしたり、グリルやボイル、スチームなどの調理で余分な脂を落とすことができます。
「牛乳・乳製品」簡単な数え方
「乳製品」とは牛乳などの動物性ミルクから作られたヨーグルトやチーズなどの加工食品で、カルシウム含有量が高いため、食事バランスガイドの中でも一定量摂るよう勧められている食品です。
主食や副菜などと比べるとその量は多くはありませんが、日本女性は慢性的にカルシウム不足になりがちなので、意識して摂取する必要があるわけです。
食品バランスガイドによると、非妊娠時から妊娠中期にかけての牛乳・乳製品摂取推奨量は2つ(sv)、妊娠末期から授乳期にかけてはプラス1つの3つ(sv)で、1つ分の基準は約100mgのカルシウム量。
1つ分だと牛乳コップ半分(90cc)、プレーンヨーグルト1個弱(80g)、プロセスチーズ1枚弱(20g)ということになります。
「牛乳・乳製品」などの多様な食品を組み合わせてカルシウムを十分に
かつて「妊娠中に牛乳や乳製品を摂ると赤ちゃんがアレルギーになりやすい」と言われていたことがありましたが、これは赤ちゃんの三大アレルゲン食材の1つに牛乳が挙げられているためです。
しかしそもそも赤ちゃんのアレルギーは遺伝子レベルの体質的なもので、お腹の中にいるときに母親が摂食していたものに影響されるという医学的根拠はないとされています。
むしろ、赤ちゃんの骨や歯の形成の為に母体から優先的にカルシウムが送られていくため、ママがカルシウム不足になりやすく、牛乳や乳製品からしっかりカルシウムを摂取する必要があるのです。
牛乳にはカルシウム以外にも、たんぱく質やマグネシウム、鉄分、亜鉛、葉酸など妊婦に必要な栄養素が幅広く含まれており、便秘解消、高血圧予防、美肌効果、コレステロール値の改善、安眠効果など様々な健康効果を期待することができます。
ただし、牛乳や乳製品には脂質も含まれているため、飲み過ぎると脂質過多となって肥満に繋がります。やはり適量を守り、他の食品と組み合わせてバランスよく栄養を摂る必要があります。
「果物」簡単な数え方
果物はビタミンCを代表とするビタミン群やカリウム、食物繊維などを豊富に含んでいるため、食品バランスガイド中にも摂取が推奨されている食べ物です。
とはいえ他の主食や副菜、主菜などとは違い、あくまでデザート、間食として適度に食べると良い、というレベルです。
非妊娠時から妊娠初期にかけての果物摂取推奨量は、1日当たり2sv。妊娠中期から末期、授乳期にかけてはこれにプラス1svの3svが推奨されています。
1svの基準値は約100gで、これはリンゴや梨半分、ミカンや柿、桃なら1個、イチゴ半パック(6~10粒)ほどに相当します。
妊娠中期なら1日当たりリンゴ1個半、ミカンや桃なら3個程度を目安に食べると良いことになりますが、特に体重制限などの必要がなければ、それ以上食べても問題ありません。
果物で注意することってあるの??
体重制限の必要がある場合は果物の糖質に注意しましょう。目安量以内に収めると良いのは勿論、食べるのは日中の時間帯にして、夜遅く食べないようにするなどの工夫も必要です。
「果物」は毎日適量を!
肥満や妊娠糖尿病の危険性から、妊娠中は特に朝食・昼食・夕食の3食を栄養摂取の基本とし、間食は程ほどに控える必要があるのですが、どうしても間食したい!という時には果物がお勧めです。
チョコレートやケーキなどとは異なり、果物に含まれる糖質は直接的に血糖値を上げる心配はありませんし、何よりビタミン群や食物繊維、ミネラルを豊富に含んでいるため妊娠中に必要な栄養素を補給することができるからです。
例えばライチやアボガド、イチゴには、妊婦さんにとって必要不可欠な葉酸が豊富に含まれています。しかも加熱処理せずに美味しく食べることができるので、熱によって葉酸を壊してしまうことなく効率的に摂取できます。
鉄分の吸収を助けてくれるビタミンCは、グレープフルーツなどの柑橘類、イチゴやキウイなどに多く含まれていますし、余計な塩分を体外へ排出し妊娠高血圧症を予防してくれるカリウムは、バナナや柿、アボガドなどに多く含まれています。
これらの果物を、あくまで普段の食生活のアクセントとして2~3つ(sv)取り入れるようにしましょう。できれば旬の時期に食べると、更に高い栄養価を期待できます。
食事バランスガイドについてのよくある質問
食事バランスガイドから1日当たりの食品摂取推奨量を知ることができますが、大事な赤ちゃんのために絶対これを遵守しなければ!と頑張りすぎてしまうママ、遵守したいのになかなかうまくできなくてどうしよう…と心配するママもいるようです。
それでここに、妊産婦版食事バランスガイドについてのよくある質問を取り上げてみます。
つわりで食べられない場合はどうしたらいい?
「妊婦さんにはこれこれの栄養素が必要」と分かっていても、つわりで思うように食事が摂れないこともあります。しかし妊娠初期の間は、これまでママの体に蓄えられてきた栄養で赤ちゃんが育って行きます。
食べられないからといってそれが赤ちゃんの栄養不足に直結するわけではありませんから安心してください。それで妊婦さんのストレスをできるだけ軽減し、無理をせずに体力を維持する方法を見つけることが何より優先されます。
食べられなくても問題ないといっても、どうしても心配になるんだよね。
それでは、まずは食べられるものを探してみましょう。つわり中は匂いが少なく水分量の多いサラッとした冷たい物が食べやすくなると言われています。
そうめんや水気の多い果物、あるいは食欲を刺激してくれる食品、クエン酸を豊富に含む梅干しやレモン、更には吐き気を抑える効果のある生姜を使った料理だと食べやすいかもしれません。
一度に沢山食べられない場合は、1回の食事量を減らし、その分回数を小まめに分けて食べると良いでしょう。
水分補給に努めましょう。つわり中は脱水症状の危険性があります。レモン水や生姜湯が飲みやすいですが、それすらも受け付けないという場合には、小さな氷を口に入れて飴のように舐めるようにしてください。
栄養バランスを考えるのが難しい
妊婦さんに必要な栄養素は、葉酸、鉄分、カルシウム、亜鉛、たんぱく質、カリウム、ビタミンC、ビタミンD…と、挙げていくと覚えきれないほどあって、「『バランスの良い食事』なんて毎日作れない!」という意見も少なくありません。
そこでお役立ちなのが、食品バランスガイド。食品バランスガイドには主食・副菜・主菜・乳製品・果物それぞれのカテゴリごとに具体的な料理とその量が記されていますから、これを参考に料理を組み合わせていけばまず間違いありません。
メニューを考えなくていいので楽チンですね。あるいはもっと食材にバラエティを持たせたいという時には、鍋料理にしてしまうのもお勧め。
野菜やお肉、魚介類などを一気に食べることができますし、豆乳鍋や味噌鍋などバラエティを持たせれば摂れる栄養素も増え、何より味に変化があって飽きが来ません。体を温めることもできて妊婦さんには特にお勧めです。
コーヒーやお茶は飲まないほうがいい?
コーヒーやお茶にはカフェインが多く含まれているため、妊娠中は飲まない方が良いのでは?との意見もあります。
しかし実は日本の内閣府食品安全委員会が行う食品リスク評価の中にカフェインは含まれておらず、今のところ「妊婦の摂取は控えるように」とか「○mgまでなら摂取可」といった発表はなされていません。
とはいえカフェインの大量摂取は、カルシウムの吸収を阻害したり低体重児のリスクを高めたりするという研究結果もあり、イギリスではカフェインの1日摂取上限値を200mg、カナダや韓国、オーストラリアでは300mgとしています。
②英国食品基準庁(FSA)
2008(H20)年に、妊婦のカフェイン摂取に関して新たな助言を公表しています。妊婦がカ
フェインを摂り過ぎることにより、出生児が低体重となり、将来の健康リスクが高くなる
可能性があるとし、以前は 300 mg を上限とすることが望ましいとしていましたが、新たな
助言においては、妊娠した女性に対して一日当たりのカフェイン摂取量を 200 mg(コーヒ
ーをマグカップで 2 杯程度)、に制限するよう求めています。
従ってこれら諸外国の定める上限値からすると、コーヒー1杯分のカフェイン量は約50~100mgなので、コーヒー1日2杯程度までなら問題ないと思われます。
ただ、カフェインはコーヒーにだけ含まれるものではなく、緑茶や煎茶、ほうじ茶、ウーロン茶、ココアなどにも1杯あたり約30mgほど含まれています。
特に栄養ドリンクや玉露にはコーヒー以上のカフェインが含まれているため、注意が必要です。1日当たりのカフェイン量は、これら全ての食品の合計数で考慮するようにしましょう。
食事バランスガイドだと不安な方はサプリを活用して栄養補給を!
食事バランスガイドを利用すればある程度栄養バランスのとれた食事を摂ることができますが、それでもきちんと栄養が摂れているかどうか不安…という人、あるいは食事を摂りたくてもつわりで摂れないという人は、サプリメントを活用することもできます。
ただし、妊娠中の服用は可能か、可能であってもどの程度まで可能なのかを確認しなければなりません。妊娠中でも服用可・・というより服用が推奨されているのが、葉酸サプリです。
妊活中から妊娠中期までには通常の食事で摂取できる葉酸量プラス40μgが必要とされており、サプリメントで補う方が効率的です。
ビタミンB1やB6も妊婦のつわり緩和、胎児の脳障害予防に効果があると言われており、これらビタミンB群は妊娠中でも積極的に摂りたいサプリメントと言われています。
加えてビタミンCやβカロチンなど、過剰症の心配のない栄養素は基本的にサプリメントから摂取してもそれほど心配はありません。
ビタミンB群をサプリで摂ったほうが良いんだね!サプリで気をつけることって何かある?
過剰症の危険性があるレチノールなどの脂溶性ビタミン、大豆イソフラボンなどの女性ホルモン様物質を含む物質、アロエやモリンガなどの薬効性の強いハーブ類は、妊娠中は避けたいサプリメントとして挙げられています。
まとめ
妊娠中は、痩せすぎていても体重過多でも母子ともに悪影響の危険性がある、難しい時期です。
妊娠初期には一般女性が必要とする1日当たりのエネルギー量2000~2200kcalプラス50kcal、中期ではプラス250kcal、末期にはプラス500kcalの摂取が求められると言われています。
とはいえ何でも好きな物を好きなだけ食べて良いというわけではありません。もともと人には健康を維持する上で必要とする栄養素の種類と量がある程度決まっており、特に妊娠中はそのバランスを摂るのが難しくなります。
そこで役に立つのが、妊婦さんが1日に必要な栄養素を食事から摂れるように分かりやすく表にした、「妊産婦版食事バランスガイド」です。
「妊産婦版食事バランスガイド」を利用すれば、妊娠中の難しい栄養管理も簡単に行えますし、体重コントロールにも役立ちます。
「食事バランスガイドにこう書いてあるから」と、何が何でも毎日それを遵守する必要もありません。つわりなどで思うように食べられない、特定の食品しか受け付けないということもあるでしょう。
そんな時は無理をせず、まずはストレスを軽減し体力を維持できる方法を考えましょう。不足が甚だしいと感じる栄養素があれば、サプリメントで補うという方法もあります。
特に葉酸は、普通に食事できていたとしてもサプリメントで更に追加するよう勧められている、妊婦必須の栄養素です。
- 妊娠中の栄養バランスを分かりやすく説明したものが妊産婦版
- 妊娠全期間中で推奨される体重増加量は体型によって異なる
- 妊娠中に炭水化物を制限しすぎると子供が生活習慣病になるリスクが増加する
- ダイエットなどの影響で慢性的にたんぱく質が不足しているという女性も少なくない
- 母親が摂食していたものが赤ちゃんに影響するという医学的根拠はない
- 間食したいという時には果物がお勧め
- サプリメントを活用して栄養補給する方法もある