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産後(授乳中)に禁止されている食べ物はある?注意すべき食品11選!

生まれてくる赤ちゃんのために

元気な赤ちゃんが生まれてくるように、妊娠中は食べ物や飲み物に十分注意を払いますが、これは産後、無事生まれてきた赤ちゃんに栄養価の高いおっぱいをあげるために産後にも必要なことです。

母乳には赤ちゃんが必要とする栄養素が全てバランスよく含まれているだけでなく、赤ちゃんを病原菌から守る抗体も含まれており、そのうえママの産後の回復を早めるためにも母乳育児がお勧めなのです。

そこで気になるのが、授乳中のママにとって避けるべき食品や飲み物。大切な赤ちゃんを母乳によって逆に危険にさらしてしまわないよう、NG食品をきちんと把握しておきましょう。

母乳は赤ちゃんの大切な栄養源

そもそも母乳はどのようにして作られるのでしょうか。出産後、ママの体では授乳のために「オキシトシン」と「プロラクチン」という2つのホルモンの働きが活発になります。

赤ちゃんがおっぱいを吸うとその刺激によってプロラクチンが母乳を作るよう指示をだし、乳房の中の毛細血管にあるママの血液を乳腺の腺房で集めて母乳が作られます。

つまり母乳とはママの血液でできたもの。ただ、母乳を作る際血液の赤い成分であるヘモグロビンが取り込まれないので、母乳は赤い色をしていないだけなのです。

そうして作られた母乳はオキシトシンの働きによって乳管から乳頭へと押し出されます。ここから分かる通り、赤ちゃんにとって栄養バランスのとれた母乳をしっかり作ってあげるためには、ママの血液の量と質を良くしてあげる必要があります。

量と質を良くするためにはどうすればいいの?

大切なのはママの食事です。ママの食べたものはその成分が血液中に溶けだしますから、それがそのまま赤ちゃんに飲ませる母乳の成分となるわけです。つまり「ママの食べたもの=赤ちゃんが食べるもの」と覚えておきましょう。

脂質や糖分が多い食事は乳腺炎の原因になる

乳腺炎とはその名の通り乳腺が炎症を起こしてしまう病気で、その直接の原因は細菌感染や母乳が乳房内に溜まってしまうことです。乳腺炎になると激しい痛みや高熱などの辛い症状に悩まされることになります。

なぜ乳房内に母乳が溜まりやすくなるのかについては、現在のところハッキリとした理由は解明されていないのですが、経験則として食べ物にも原因があるのではないかと言われています。

前述の通り母乳はママの血液から作られますから、その血液がドロドロだとそこから作られた母乳もドロドロになり、詰まって溜まりやすくなるのでは、と考えられるわけです。

従って、血液をドロドロにしてしまう食事、つまり脂質や塩分、糖分の高い食べ物は要注意です。フライドポテトなどの揚げ物、チョコなどのスイーツ、スナック菓子やインスタント食品などのジャンクフードは乳腺炎の危険性を考えると避けたい食べ物になります。

【補足】乳腺炎時の授乳の可否

例え食べ物に気をつけていたとしても、ストレスや体力低下などによっても発症してしまうのが乳腺炎です。もし乳腺炎にかかってしまったなら授乳を続けて良いのでしょうか。

そもそも乳腺炎になると乳房の痛みから授乳が辛いこともあり、以前は乳腺炎を起こした母親は授乳を控えるよう指導されることが多かったのですが、現在ではむしろ治療と赤ちゃんの健康のためにも授乳を続けるべきという考え方が支持されています。

というのも、乳腺炎のうち鬱滞性乳腺炎は母乳が乳腺に溜まって起こる炎症ですから、母乳の鬱滞を解消することが不可欠。つまり赤ちゃんにどんどん母乳を飲んでもらう必要があるのです。

どうしても痛みで止めてしまっても大丈夫?

中止してしまうと痛みが増し、症状が悪化する危険性さえあります。また、突然の授乳中止は母親に深刻な情緒的ストレスを与えるため、精神面でも相応しくないとも言われています。

気になる赤ちゃんへの影響ですが、例え細菌に感染して起こる化膿性乳腺炎であっても、授乳を続けることで赤ちゃんに悪影響が及んだという報告は見られません。

化膿性乳腺炎の場合は抗生物質の投与が治療となりますが、これと並行して授乳を継続することで改善されるという結果が出ているのです。

授乳中のNG食品一覧

見てきた通り、ママの食事はそのまま母乳に影響し、赤ちゃんの健康を大きく左右することになります。

一般に授乳中は1日あたり通常のプラス350kcalのエネルギー摂取が必要と言われており、良性のたんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養をバランスよく摂ることが勧められています。

一方で、授乳中は摂り過ぎに注意したい食品、NGな食品もあります。もち米、揚げ物、玄米、小麦粉、体を冷やす食品、菓子パン、香辛料、トランス脂肪酸、カフェイン、アルコール、インスタント食品、医薬品などが該当します。

お餅・もち米

お餅と言えば逆におばあちゃんから産後のママに「母乳に良いから……」と勧められる食品というイメージがあるかもしれません。

お餅は昔はお祝いごとに食される御馳走で栄養価が高かったことから、御祝の気持ちと体力をつけさせる目的でこのように言われていたのだと考えられます。

しかし栄養不足というより栄養過多になりがちな現代では、お餅を食べなければ母乳に影響が出るというような心配はありません。むしろ「食後高血糖」の状態を引き起こすため、授乳中のママは気をつけた方が良い食品とされているのです。

というのも、お餅はもち米を蒸してついて柔らかくしたものですから、非常に消化が良く、摂取後すぐにもち米の炭水化物が吸収され、ブドウ糖に姿を変えて血液中に流れだしてしまいます。

注意してね!血糖値の高い血液で作られた母乳はやはり粘性の高いドロドロとしたものになり、乳腺が詰まって乳腺炎を引き起こす危険があるわけです。

お餅がすぐに乳腺炎に直結するわけでもなく、むしろ母乳の出が良くなるもち米は母乳が少ない人にとっては多少摂取が必要な食品とも言われています。あくまで乳腺が詰まりやすい人、血糖値が高めの人は控えた方が良い食品、という認識で良いでしょう。

揚げ物など脂肪分の多い食事

既に述べた通り、脂肪分の多い食事は血液をドロドロにし、それを元に作られる母乳も粘性の高いものとなって乳腺を詰まらせやすくすると考えられます。つまり乳腺炎のリスクを考えるなら脂肪分の多い食事には気をつけるべきです。

ただし、乳腺炎が怖いからと言って極端に脂質を避けるのもお勧めできません。というのも、脂質は体に必要な栄養素でもあり、体のエネルギー源となったり細胞膜やホルモンの原材料となったりするからです。

特にヒトの体内では合成できず食品から摂る必要のある「必須脂肪酸」は細胞の機能を助ける重要な脂質で、母乳に優位に取り込まれるため、ママの体で不足しやすくなります。

必須脂肪酸はどうしたら摂れるの?

必須脂肪酸を多く含む魚類や大豆、アボガドなどの植物性の脂を意識して摂る必要があるのです。一方で気をつけたいのは、同じ脂肪分でも肉類や乳製品など動物性脂肪、飽和脂肪酸と呼ばれる食品です。

飽和脂肪酸は過剰摂取になりがちで体に溜まりやすく、乳腺炎の原因となる危険性があります。バラ肉などの脂身の多い肉やクリーム、バターなどを使用したケーキ類、また素材自体に脂肪分はなくてもフライドポテトなどの揚げ物には注意してください。

玄米・胚芽米

実はお米それ自体は母乳の主成分であり、食べやすくて消化も良く、授乳中のママには特にお勧めの食品です。逆に不足するとママの低血糖を招く恐れがあります。

それではもっと栄養価の高い玄米や胚芽米にすれば更に授乳に良いのでは、と思うかもしれませんが、実はこれらは授乳中には気をつけたい食材です。

確かに栄養価は高いのですが、白米と違って吸収率が悪くママの体できちんと吸収されずにそのまま母乳に出てしまうことが多いため、アクの強い玄米や胚芽米の成分が赤ちゃんの消化器官にとって大きな負担になる危険性があります。

では色んな穀類を一度に摂ることのできる雑穀米ならどうかと言うと、こちらは交ざっている穀物の種類によります。例えばうるち系のあわやきび、キヌアやアマランサスなどは授乳に良いですが、同じあわやきびでも餅系は母乳の粘性を高めるためお勧めできません。

何が含まれているかきちんと確かめてから食べる必要がありますが、10種類以上の雑穀が入っているものは相性の良くない穀類も混ざっている可能性があるので、避けた方が無難でしょう。

小麦粉

精白された小麦粉は体を冷やす作用があるため、授乳中はあまりお勧めできません。母乳の元となる血液の流れが滞ってしまい、十分に栄養を送ることができなくなってしまうからです。

また小麦粉は、卵や牛乳、ピーナツなどと並んでアレルゲンとなりやすい食材で、赤ちゃんの食物アレルギー発症予防のために、授乳中はこれらを摂らないようにしている人もいます。

ただ、アレルギー予防という観点から言えば、ママが摂取した小麦などの食材が必ずしも母乳中に検出されるわけではなく、アレルゲンとなり得る食材を避ける必要はないとされています。

それでも経験則として、ママが小麦を摂ると赤ちゃんが便秘しやすいとも言われていますから、やはり授乳中は避けた方が良いでしょう。

生野菜など体を冷やすもの

体を冷やす食べ物は血行を悪くし、母乳の量や質を落とすため避けた方が良いのは前述の通りです。

冷えたビールや炭酸飲料、スイカやバナナなど南国が原産地となっている果物、甘い物に大量に含まれている白砂糖、着色料や保存料など化学物質が沢山入っている加工食品などは体を冷やす要注意食品です。

また、野菜類も気を付けましょう。ビタミンやミネラルを多く含む野菜は身体に良く授乳中も積極的に摂りたい食材ですが、体を冷やす作用のある野菜も多いので注意が必要です。

体を冷やす作用のある野菜ってどんなものがあるの?

具体的には、キュウリやナス、トマトなどの夏野菜、またレタスやほうれん草などの葉野菜には体を冷やすものが多いとも言われています。

一方体を温める作用がある野菜としてはゴボウや大根などの根菜類、また玉ねぎやニンニクなどに含まれる「アリシン」という成分は血液をサラサラにする効果がありますし、生姜に含まれる成分も血行促進効果が高く、体を温めてくれる食材の代表選手です。

また身体を冷やす野菜でも、加熱して食べることで体を温めてくれる食材に変化するものが沢山あります。授乳中は生野菜ではなく温野菜として食べることをお勧めします。

菓子パン

お腹が空いた時についつい手を出してしまいやすい菓子パンですが、既に触れた通り精白された小麦粉で作られているパン類は体を冷やしやすいため、授乳中はあまりお勧めできません。

食品だけにとどまらず、血液の循環を滞らせる「冷え」に繋がるものは基本的にNGと考えておきましょう。加えて菓子パンは小麦粉以外にも糖分やバター、添加物などを多く使用しているため、食パンよりも更に要注意な食品です。

砂糖や添加物も体を冷やしますし、血液をドロドロにして母乳を詰まらせる原因にもなり得ます。それでも「実は菓子パンは大好物!たまにはおやつに食べたい!」という女性も多いでしょう。

授乳中だからと言って我慢ばかりしているとストレスとなって、やはり母子ともに良い影響を与えません。そこで授乳中でもOKな菓子パンを手作りしてみてはいかがでしょうか。

ここでワンポイント小麦粉の代わりに米粉やおから、バターの代わりに植物性の油、白砂糖の代わりに蜂蜜、イースト菌で発酵させる代わりにホットケーキミックスで蒸すなど、授乳中でも食べられる手作り菓子パンレシピは意外に沢山あります。

香辛料を大量に含んだ食べ物

一言で「香辛料」といっても種類は沢山あるのですが、一般にはよく「授乳中は香辛料タップリの辛い食べ物はNG」と言われます。中には辛い料理を食べると赤ちゃんがおっぱいを嫌がったり下痢をしたりする、という意見もあるものです。

では実際、ママが摂ったスパイスがどれほど母乳に影響するのかというと、これはそれぞれの香辛料が持つ「母乳への移行率」が関係します。

ここでワンポイント母乳への移行率はたんぱく結合率及び分子の大きさによって決まり、分子が小さくたんぱく結合率の低いものほど母乳に流れでやすい、つまり影響しやすいとされています。

移行率の点で言えば、例えば赤唐辛子や生姜は移行率が低いため大量でなければOKですが、カレー粉やニンニクは移行率が高いので、赤ちゃんの内臓への負担を考えれば避ける方が良いと考えられます。

また母親が同じ香辛料を同じ量だけ摂ったとしても、体質、消化酵素の違いにより全く平気な赤ちゃんもいれば、下痢やかぶれなど体調を崩す赤ちゃんもいます。

スパイスの入った料理は全て悪いと一概には言えないのですが、やはり移行率が高いカレー粉やニンニク、ウコンやクミンを大量に使ったカレーは避けた方が良い食事と言えるでしょう。

トランス脂肪酸を含んだ食べ物

そもそもトランス脂肪酸とは油脂に水素を添加して作られる人工油で、マーガリンやショートニングはこのようにして製造されています。オリーブ油やバターなどとは違い、自然界には存在しない油です。

トランス脂肪酸は子供にどんな影響があるの?

トランス脂肪酸による子供への重大な影響として、アレルギーや免疫力の低下が挙げられます。

トランス脂肪酸は、本来細胞膜の原料となっているシス型脂肪酸とは立体構造が異なる為、体内に取り入れられると細胞膜に隙間ができてしまい、アレルゲンとなる異物が侵入しやすくなってしまうのです。

トランス脂肪酸は、マーガリンやショートニングを使用して作られるケーキやパン、市販のお菓子などの他に、冷凍食品の揚げ物、スナック菓子、ポテトやチキンなどのファーストフードの揚げ物にも含まれています。

つまり何度も使いまわしている古い油を使用している食品には注意が必要ということです。更にはルウを固める目的でカレーやシチューなどにも含まれていますし、油を乳化剤で溶かしたコーヒーフレッシュもトランス脂肪酸を多く含んでいる食品です。

カフェインが含まれる飲み物

「カフェイン」はアルカロイド化合物で、覚せい作用や鎮痛作用があるため毎日常習的に飲む人も少なくありません。授乳中のママでも、目覚めのコーヒーが飲みたい!という人は多いでしょう。

結論から言うと、1日に2~3杯のコーヒーを飲むくらいでは母乳を通して赤ちゃんに重大な影響を与える心配はありません。ママが摂取したカフェインが母乳に流れ出るのはそのうちの1%ほどに過ぎないからです。

ただし、大量のカフェインはNGです。母乳に流れ込んだカフェインに含まれる覚せい作用が働いて赤ちゃんの寝つきが悪くなったり夜中に何度も起きてぐずってしまったりすることがあります。

注意してね!カフェインを摂ると赤ちゃんの脳への刺激が強すぎてイライラしたり不安な状態になったりし、いつまでも泣き止まずずっとぐずっているなどの症状が現れます。

従授乳中にコーヒーを飲むなら1日2~3杯まで、と決めておく必要があるのですが、気をつけたいのはコーヒー以外の飲み物にもカフェインが多く含まれていることがあるということ。

紅茶や緑茶、ウーロン茶、コーラ、栄養ドリンク、ココアなどにも大量のカフェインが含まれています。コーヒーの量だけでなく、これらの飲み物もトータルで数えて1日2~3杯まで、と考えましょう。

アルコール

カフェインの母乳移行率が1%前後であるのに対し、アルコールは非常に移行率が高く、中には母親の血中アルコール濃度の90~95%が母乳の中からも検出されたという報告があるほどです。

注意してね!アルコールは分子が小さくたんぱく結合率も低いため、少しの量でも母乳に入り込みやすいのです。

母乳を通して赤ちゃんがアルコールを摂取してしまうと、肝臓機能がまだきちんと出来上がっていないため上手く分解することができず様々な悪影響を受けてしまいます。

挙げられている危険性としては、学習障害や発達障害、低身長・低体重、情緒不安や落ち着きがなくなるなどといったトラブルで、最悪の場合は急性アルコール中毒になってしまうことさえあります。

ただしこれは、常習的にあるいは大量に摂取した場合のことで、うっかりビールを1杯だけ飲んでしまった、というような場合それほど慌てる必要はありません。そのような場合には母乳に含まれるアルコール成分がなくなる3~7時間後に授乳すると良いと言われています。

また焼き菓子などに含まれるアルコールは問題ないですが、ウィスキーボンボンやラムレーズンなどは注意が必要とされています。

インスタント食品

手軽で脳が「美味しい」と感じられる味付けになっているのが、カップラーメンを代表とするインスタント食品です。しかし残念なことに人間が一口食べて「美味しい」と感じられる成分の多くは、高塩分・高脂質であり、インスタント食品はその代表格と言えます。

高脂質が乳腺炎の原因になり得ることは既に何度も述べてきましたが、中でもインスタント食品にはトランス脂肪酸が多く使用されており、母乳を通して赤ちゃんがアレルギー体質になったり免疫力を低下させてしまう危険性は否定できません。

またカルシウムの吸収を妨げるリンも使われているため、ママの体にも良くないのです。更に気をつけたいのが、インスタント食品に大量に含まれる添加物です。

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そもそも食品添加物ってなに? 食品添加物とは、日本の法律では、食品を加工したり……

インスタント食品は加工しやすくするため、また色や香りを付けるため、あるいは保存性を高めるために保存料や着色料などの食品添加物を多く使用しています。

中でも発がん性のある「BHA」「BHT」などの酸化防止剤、「青1」「赤2」などのタール系色素、また毒性が強いとされる「亜硫酸Na」などの漂白剤、「ソルビン酸K」などの保存料には気をつけましょう。

医薬品の種類・市販薬の場合の適合判断

授乳中はお薬を飲んでも良いものかどうか判断に迷う人、中には「授乳中の医薬品は絶対NG」として授乳中はお薬をやめる人、逆にお薬を服用しているので母乳育児をあきらめる人もいますが、基本的にはそれほど心配する必要はありません。

確かに母親が医薬品を摂取すると、血液を介して母乳中にも分泌されるのですが、その量は非常に微量であるうえ、赤ちゃんの血液に届くまでには更にその量が減っていくため、実際に赤ちゃんに影響が出ることは滅多にないのです。

そのため大抵の薬は授乳中でも並行して服用することができるのですが、特に長期的に服用する場合には注意が必要です。微量とは言え長期的に飲むことで薬の成分が少しずつ赤ちゃんの体に蓄積し影響を及ぼす危険性があります。

併用できる薬の数は少ないとは言え授乳中は禁忌とされているもの、注意が必要で副作用の有無を観察しながら服用すべきとされているものがあります。

禁忌とされる医薬品の代表は抗がん剤や「ヨードカプセル-123」などの放射性ヨウ素で、「アンカロン」などの抗不整脈薬も授乳中は基本的に服用しない方が良いとされています。

成分名 代表的な商品名 代表的な薬効分類
アミオダロン アンカロン 抗不整脈薬
コカイン コカイン 麻薬
ヨウ化ナトリウム(123I) ヨードカプセル-123 放射性ヨウ素
ヨウ化ナトリウム(131I) ヨウ化ナトリウムカプセル 放射性ヨウ素

表の参考元:国立成育医療研究センター「授乳中の使用には適さないと考えられる薬」

注意が必要で赤ちゃんに副作用がでないかどうか観察が必要な薬品としては、ハンセン病治療薬の「ダプソン」や抗菌薬の「スルホンアミド」、母乳の生産を抑制する可能性のある薬品としては、エストロゲンを成分とした避妊薬が挙げられています。

また市販薬の添付文書には「授乳中の使用は控えること」と記載されていることが多いのですが、これは万が一のことを考えたうえでのことであり、実際にはそれほど心配する必要はありません。

市販で買える痛み止めの「ロキソニン」「イブプロフェン」、一般的な風邪薬に配合される抗ヒスタミン成分や葛根湯なども、用法用量を守っていれば問題ないと考えられます。

母乳育児では食べ物と上手に付き合うことも大事

大切な赤ちゃんが元気に育ってくれるよう、授乳中の食事に気を遣うことはとても良いことですが、極端な食事制限でストレスを抱えることは逆効果です。

特に乳腺炎を恐れて「大好きだけど甘い物は絶対食べない!」「揚げ物はすべて却下!!」などと自分に厳しい制限を課していると、そのストレスが乳腺炎を呼ぶ可能性さえあると言われているのです。

勿論ストレスと乳腺炎の関連性については今のところ科学的根拠は挙げられていないのですが、ストレスが自律神経の乱れを引き起こすことは確かです。

またホルモン分泌や体温調節など様々な身体機能を司っている自律神経が乱れると、母乳の分泌を抑えたり血液の循環を悪くして母乳が詰まりやすくなる可能性は十分考えられます。

ストレスを溜めない食事方法で母乳育児を楽しむのが赤ちゃんにとってもママ自身にとっても一番良いことです。

勿論毎日ケーキをワンホール食べるだとか激辛料理店に毎日通うだとかいった極端な食事はNGですが、バランスのとれた食事を摂りつつ時には好きな物も食べる、そんな食生活なら母乳育児に悪影響を及ぼすことはないでしょう。

卒乳まで葉酸摂取は必要!DHA配合の葉酸サプリがベスト

授乳中は避けた方が良い食品がある一方で、是非積極的に摂取したい栄養素も沢山あります。中でも厚生労働省により勧められている栄養素が葉酸で、妊娠中だけでなく授乳中も通常より+100μg/日の摂取、つまり1日340μgの葉酸を摂るよう勧められています。

というのも、葉酸は別名「造血ビタミン」とも呼ばれている通り、脊髄をサポートし血液中の赤血球を製造します。産後は出産時の多量の出血で貧血になりがちなうえ、母乳の原材料は血液ですから、ママの貧血予防にも母乳の出を良くするためにも葉酸は欠かせません。

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葉酸を多く含む食品としては、モロヘイヤ(250μg/100g)、ほうれん草(210μg/100g)などの青い野菜が挙げられますが、葉酸は水溶性ビタミンであるため調理することで失われやすい栄養素でもあります。

きちんと葉酸を摂りたいなら、サプリメントで補充する方が良いでしょう。葉酸サプリを利用するなら、血中コレステロールを抑え血栓を防いで血液をサラサラにしてくれるDHAが含まれたものがお勧めです。

まとめ

母乳育児を成功させる秘訣は、バランスのとれた食事と水分補給、そしてストレスを溜めないことです。

授乳中に望ましいのは母乳の主成分にもなる白米と身体を温める根菜などの食材、大豆など良質なたんぱく質で、逆に気をつけたいのは脂肪分や糖分、小麦粉やトランス脂肪酸、カフェインやアルコールなど。

ただし、「授乳に良いから」「悪いから」と一定の食材ばかり取り続けたり、一定の食材を極端に避けたりする必要もありません。大切なのはバランスで、極端な食事制限によってストレスを抱えないようにしましょう。

それでも葉酸などの授乳中欠かせない栄養素が足りないように感じるのであれば、サプリメントを補助的に使うと良いかもしれません。サプリメントなら食事からでは摂りにくい栄養素も簡単に摂ることができます。

産後(授乳期)におすすめ葉酸サプリ

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  • 母乳の質と量を上げるためにはママの食事が大切。
  • 脂質や糖分が多いと乳腺炎の原因になる。鬱滞性乳腺炎になった場合赤ちゃんに飲んでもらう必要がある
  • 産後に避けるべき食品は11種類ある
  • 産後にサプリを飲むならDHA配合の葉酸サプリがベスト