最近では晩婚化などの影響で、少子化問題だけでなく未婚率が上がってきており、結婚しない男女が増えてきています。このままいくと、近い未来には成人男女共に5人に1人が独身者になるという非婚社会になると問題にもなっています。
仕事をしている女性にとって仕事との両立を図るとなると、出産年齢になる確率も高くなってしまう傾向になるのです。
年齢を重ねてからの出産は多少のリスクもあり、そのひとつに不妊症などの自然妊娠をする確率が低くなるため、妊活や不妊治療を率先して行う女性が増えてきました。
そんな女性のためにここでは、妊活の正しい知識から始め方、そして妊娠してからの妊娠周期の基礎知識、症状、食生活や注意点、また、産後の過ごし方などについて詳しくご紹介していきます。
妊活の正しい過ごし方と基礎知識
妊活とは?いつから始めればいいの?
妊活というと、妊娠をするために子作りに励む事と思われている人もいるかもしれません。妊活の目的とは、妊娠・出産についての正しい知識を身につけ、健康面や食事などの生活スタイルを意識して、妊娠しやすい体づくりをすることなのです。
また、妊活というとすぐに妊娠を望む人だけが行うと思われがちなのですが、将来的に妊娠を希望する女性にも当てはまるのです。
妊活を始めるタイミングはいつから始めても大丈夫です。妊活とは自然妊娠しやすいように体のバランスを整えていくものなので、誰もがすぐ始められます。妊娠だけでなく、自分の体とも向き合っていくので、1日でも早く取り組むことをお勧めします。
また、避妊せずに性交をしていても、妊娠しない場合もあります。その期間は一年といわれ、「不妊症」という診断を受ける可能性が高いでしょう。
不妊症と診断を受けても女性だけでなく、パートナーの男性に原因があることもあるので、不妊治療を開始する場合はパートナーと共に病院を受診する必要があります。
不妊治療はパートナーと受診することが大切なんだね。他に注意点とかある?
そうですね。年齢が35歳以上の妊娠を希望している人の場合、半年に一度のペースで不妊検査を行うことで、医師からのアドバイスや治療方法などを受けられますよ。
食生活(バランスよい食事+葉酸摂取)・睡眠・運動
妊活中の食生活は規則正しい食事を心がけましょう。食べる時間もできるだけ同じ時間帯にして、一日三食、バランスの良い食事をとることが重要になってきます。
妊活中に意識して摂りたい栄養素で欠かせない葉酸は、妊娠中だけでなく妊活中にもお勧めの栄養素です。主な働きは子宮内の血流促進や子宮内膜の強化などです。
食材の中でも、納豆、ブロッコリー、モロヘイヤ、ほうれん草、みず菜、いちごなどを食べることで、葉酸を摂取することができます。葉酸は調理段階で失われやすいので、あまり手を加えすぎない温野菜などのシンプルな方法で取り入れるのがいいでしょう。
1日で摂取を推奨している葉酸の量は480μgなので、納豆で例えると、1日に6パックも食べなければなりません。ですので食品から摂取する以外にサプリメントで補うことができます。
また、生肉や生卵、うなぎ、レバーは胎児に悪い影響を与えたり、子宮収縮を起こしてしまう可能性があるので避けた方が良いでしょう。
飲み物では、カフェインを過剰に摂取すると低出生体重児のリスクがあるので控えるようにしましょう。また、睡眠や適度な運動も妊活には欠かせないものです。睡眠は夜寝て朝起きるという規則正しい生活リズムが、卵子の質を向上させます。
注意点
妊活中には、「これをしてはダメ」「これを食べてはダメ」などして、自分を追い込みすぎてしまうのはNGです。またパートナーに対しても神経質になりすぎないのも妊活を成功させる上でも大きなポイントとなります。
友人や周りの人の妊娠や出産の話に対して神経質になりすぎたり、パートナーにイライラをぶつけてしまうことは精神的にも肉体的にも、妊活にはいい影響を与えません。
特に男性に対してのプレッシャーは生殖機能に影響を及ぼし、精子の質が悪くなったり、最悪の場合はED(勃起不全)につながることもあるのです。
早く妊娠したい気持ちで焦ってしまうかもしれませんが、夫婦間での関係性が悪くなっては意味がありません。
ストレスとか周りからのプレッシャーとかで大変なんだよね…。
本気だからこそ悩んだり、落ち込んでしまうこともあるかもしれませんが、たまには力を抜いてリフレッシュしながら妊活と向き合って行きましょう。
身体の細胞を老化させるといわれる活性酸素は、妊活にとって大切な卵子などにも悪い影響を与えることで知られています。
活性酸素は喫煙や飲酒、食生活の乱れやストレス、そして過度の激しい運動やダイエットなどでも増やしてしまう原因になるので注意が必要です。
妊娠初期の正しい過ごし方と基礎知識
妊娠初期っていつからいつまで?妊娠初期の胎児の状態(1ヶ月~4ヶ月)
予定日になっても月経が来ることがなく、妊娠検査薬を使用したり、病院に行って妊娠がわかるのがこの妊娠初期でしょう。
妊娠4週目の赤ちゃんは大きくても1㎝程度の大きさで、子宮の大きさは鶏卵ほどの大きさです。超音波検査では、赤ちゃんが入っている胆嚢と呼ばれる袋を確認することができます。
4週目の赤ちゃんはまだ小さく胎芽と呼ばれますが、妊娠8週目になる頃には胎児と呼ばれる大きさになり、身体の器官が少しづつ完成し、手足もだんだんと形作られていきます。
この妊娠初期のお母さんの症状は、個人差もありますが、お腹の張りや違和感、つわりなどの症状が始まり、体調がすぐれない日が続くでしょう。妊娠したことによって、ホルモンバランスが乱れてくるため、無理をせずに安静にすることが大切です。
産婦人科で妊娠が診断されると、母子手帳や妊娠検診に必要な助成券を受け取ることができます。妊婦健診の助成券は妊婦健診時に支払う料金の補助を受け取るための券になります。
妊娠初期はつわりとかで体調が悪くてとても大変な時期なんだよね…。
妊娠していることが発覚して、心身ともにめまぐるしく変わる時期ですので、つわりがひどかったりと体調がすぐれない場合は無理をせずに身体を休めるようにしましょう。
妊娠超初期があるの?いつからいつまで?注意点はある?
妊娠初期の前に、妊娠超初期という時期があるのを知っていますか?妊娠初期が妊娠4週目から始まるので、その前の妊娠0週~3週までの期間を妊娠超初期と呼びます。
大体、月経に似た、下腹部の痛みがあるような、胃のムカつきなどが「もしかして妊娠?」と思うきっかけになるかもしれません。
大体の方が、月経の予定日が過ぎても来ない場合そこから1週間ほど様子を見てから、妊娠検査薬や産婦人科への受診で妊娠が発覚することが多いようです。
まだ着床していないのにすでにカウントされるのかと不思議に思うかもしれませんが、すでに着床の準備がされているので、最後の月経の初日が0日で計算されます。
最終月経から2週間後あたりに、受精卵が子宮内膜に着床をすると、次の月経には子宮内膜がはがれ落ちないので、そこで生理がストップするのです。
妊娠超初期の症状は、いつもと違う症状だと感じた人もいれば、何もわからず過ごしていた人もいます。
変化に敏感な人は、毎月28日周期で生理がくるなどの人が多く、症状は様々ですが、おりものの量が増えたり、お腹や腰が張ったり、便秘になったりするようです。また、下腹部がチクチクしたり、体のだるさや、熱っぽいことも症状としてあるでしょう。
食生活(バランスよい食事+葉酸摂取)・睡眠・運動
妊娠初期のお母さんの体は、ホルモンバランスが崩れたりすることで、めまぐるしい体調の変化が起きるでしょう。
また、人によっては胃の不調やつわりなどの症状で、赤ちゃんのために食べたいけれど食事が喉を通らなかったり、体重減少や体調不良に悩まされる人も多いかもしれません。これには体質の影響が関係しています。
1人目はつわりがひどかったけれど、2人目はあまり辛くなかったなんて人もいます。妊娠初期には誰もが神経質になってしまいますが、この時期は気持ち悪い思いをしてまで無理に食べなくても、赤ちゃんに大きく影響することはないので安心してください。
妊娠初期には「1日3食しっかり食べる」は無理でも「食べられそうな時に、少しずつ食べる」という心がけでいましょう。
1日の妊婦さんの目標カロリーは、1750キロカロリーですが、そこまで食べれない人は、必要な栄養素を抑えて摂るようにしましょう。
牛・豚・鶏のレバーはたんぱく質と鉄分を摂ることができますし、乳製品はカルシウムとたんぱく質を摂ることができます。
妊娠初期に必要な栄養素すべて摂ることができるかな。つわりとかで食べられないときもあるんだよね。
沢山食べられなくても、ポイントを抑えて、自分が食べやすい食事を摂るようにしましょう。
注意点
妊娠初期に注意したいことは、いくつかあります。まずは妊娠したからといってすぐに、家で安静にすることは難しいかもしれません。仕事をしている方は特に、しばらくは体調と相談しながら仕事を続けていくでしょう。
そんな時に気をつけたいことは、まず最初に喫煙と飲酒を辞めることでしょう。中にはつわりの症状がほとんど感じられなかったりした人はタバコがどうしてもやめられない人もいるでしょう。
しかし、タバコの煙はお腹の赤ちゃんを苦しめてしまい、発達障害などの危険性があるので、すぐにやめましょう。
パートナーや友人の喫煙者の場合、副流煙も自分で喫煙するのと同じように害があるので、一緒にいる時は控えてもらったり、外で吸ってもらいましょう。また、妊娠初期はまだ受精卵が着床したばかりで、まだ油断は禁物です。
妊娠初期は自転車の運転は控えましょう。妊娠中はホルモンバランスの変化により、体調を崩しやすく、貧血の症状を起こす人もいます。お腹が大きくなって転倒の危険もあるので、極力避けることが大切です。
また、自動車の運転は胎児に影響を及ぼすわけではありませんが、シートベルトをしっかりしめて安全運転を心がけましょう。腰のベルトはお腹の位置を少し避けてお腹を圧迫させないようにしましょう。
妊娠中期の正しい過ごし方と基礎知識
妊娠中期(安定期)っていつからいつまで?妊娠初期の胎児の状態(5ヶ月~7ヶ月)
妊娠中期は妊娠5~7ヶ月(16~27週)で、大体2週間に一回の検診が目安になっています。妊娠中期は安定期と呼ばれることになり、つわりなどの症状も落ち着いてくる時期になります。
この頃には赤ちゃんの骨や筋肉も出来上がり、お母さんのお腹も目立って丸みを帯びていきます。身体がしっかりと出来上がり、胎動を感じられるのもこの時期です。妊娠5ヶ月以降は赤ちゃんの性別もわかることも多い時期です。
つわりが治まってくると、食欲も出てきたりするので、バランスのとれた食事とウォーキングなどの緩やかな運動をしていきましょう。しかし、安定期に入ったからといって油断は禁物です。
感染症による症状(切迫流産、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病)を起こす危険性もあるので、無理をせずにゆったりと過ごすことが大切です。
また妊娠中期は、お休みしていたパートナーとのスキンシップも、安定期に入ることで再開することができるでしょう。体調を見ながらになりますが、あまり激し過ぎなければ大きな影響はないでしょう。
しかし、体の痛みや感覚は人によって違うので、急にお腹が痛くなったらストップしたり、妊婦さんの体を守るためにも、感染症の予防を避けるため、避妊具をして行いましょう。
食生活(葉酸+鉄)・睡眠・運動
妊娠中期になるとつわりの症状も治まってくることもあり、だんだんと食欲が湧いたりと安定期に入る頃です。この時期になると赤ちゃんにも嗅覚・味覚・聴覚などの神経も発達してきます。
そのせいなのか、食べれなかった反動なのか、急に食欲が湧いたり、食べすぎてしまったりすることもあるので注意が必要になります。
食べることはいいのですが、偏った食事や肥満などは妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群などになりやすいので、食べ方などには気をつけましょう。
妊娠中期はどういう食べ方を意識したらいいの?
妊娠中期の1日1950キロカロリーを意識して、野菜や魚介類などを意識した食事をこころ掛けてください。
妊娠初期に食べれなかった反動で、高カロリーなものを食べたくなるかもしれませんが、食べ過ぎを抑えるには、カロリーの低いものからゆっくりと噛んで食べるようにましょう。
よく噛んでゆっくり食べることで満腹中枢が働き、暴食を防ぐことができます。妊娠糖尿病にならないように、フルーツなどの甘い物の食べ過ぎには、気を付けましょう。また、妊娠初期同様に葉酸は引き続き摂るようにしましょう。
また、体も動くようなら自分のペースでいいので、ウォーキングなどの有酸素運動を生活に取り入れていきましょう。
注意点
妊娠中期になってくると、つわりの症状もだんだんと落ち着いてきたりすることで、ご飯が美味しく食べられる様になったりと、ホッと一息つける頃かもしれません。妊娠中期は安定期と呼ばれますが、だからと言って完全に気を抜いていいわけではありません。
この時期は食欲が出て体重が増えてくるでしょう。しかし、一気に体重が増えたりすると、妊娠中毒症などの危険性もあるので、胎児の状態が安定しているのであれば、軽い運動を取り入れましょう。
基本的には深く呼吸を意識できるような、ウォーキングやストレッチなどの、有酸素運動が好ましいでしょう。
妊娠中にオススメしない動きがあります。それはひねった動きをするものです。ゴルフやテニスなどのスポーツや、人とぶつかってしまうような運動も控えましょう。
運動でなくても好きなミュージシャンのライブなどで、ジャンプしたりと盛り上がる事にも注意が必要です。妊娠をしていることを忘れてしまうくらいであれば、出産後の楽しみにとっておきましょう。
安定期に入ったからといって、無理に体を動かすのは気をつけたほうがいいんだね!
そうです。妊娠中期になってできることが増えた分、無理に体を動かしてしまい、胎児に悪い影響を及ぼしてしまう可能性があるので、注意していきましょう。
妊娠後期の正しい過ごし方と基礎知識
妊娠後期っていつからいつまで?妊娠後期の胎児の状態(8ヶ月~10ヶ月)
妊娠後期の期間は妊娠8~10ヶ月(28~39週)になり、出産間近になって赤ちゃんが下に下がってくるでしょう。この頃には検診は1週間に一回で、出産予定日を過ぎても陣痛が来ていない場合は、週に二回の検診を実施する病院が多いでしょう。
妊娠後期から出産前には、お腹の赤ちゃんもお母さんのお腹から出てくる準備を始めます。元気に動く赤ちゃんに対して、体の重さや内臓の圧迫などもあり、食べたくてもすぐにお腹がいっぱいになって、食べれなくなってしまうでしょう。
赤ちゃんがいつでも出られる状態になるので、動きもさらに活発になります。ここで妊娠中期に収まっていたつわりが、後期つわりとなっておきやすくなってしまうので、体調が優れない時は、安静にしていることも必要でしょう。
妊娠36週目にもなると、臨月に入り、いつでも出産の準備をしておくと良いでしょう。いざという時に出産時の入院グッズを揃えておくと、後から家族が持ってきてくれますし便利です。
また、出先で破水した時のことを考えて、保険証と母子手帳を持ち歩いておいたほうがいいでしょう。妊娠後期といっても、一日中歩き回っているようでは疲れてしまうので、長くても3時間程度ショッピングなどに行って、そのあとは休む時間を作りましょう。
また、出産してからだと美容院などにいくのも困難になってしまいます。何時間も座り続けるものでなければ、妊娠後期に美容院でリフレッシュするのもいいでしょう。
食生活(葉酸+鉄+ビタミンA)・睡眠・運動
妊娠後期の1日の目標カロリーは2150キロカロリーで、一番カロリーを必要としますが、沢山の量を食べれないので「効率よく食べる」ことを意識しましょう。食べ方のポイントは主食を玄米にしたり、栄養価の高い食事を心がけてください。
ゴマはタンパク質やカルシウム、そして鉄分を摂ることができるので、こういった食事にプラスできるものを効率よく摂ることがいいでしょう。また、1日に食べる回数を5~7回などに増やして、こまめに食事を摂りましょう。
気をつけなければならないのは、妊娠中期同様、フルーツやお菓子などの甘い食べ物の食べ過ぎには、十分に注意しましょう。
また、妊娠後期になると、多くの妊婦さんの悩みで多いのが「便秘」です。赤ちゃんが下がってくることもあり、腸が圧迫されてしまうのです。
妊娠後期に便秘になってしまうとどうなってしまうの?
便秘になってしまうとお腹が苦しくなったり、痔になってしまう可能性もあるので、意識して食物繊維を摂ったり、オリゴ糖などを食事にプラスしてみるのもいいでしょう。
注意点
妊娠後期に気をつけたいことは、妊娠中期にもお伝えしましたが、暴飲暴食に気をつけることです。脂肪がつくことで難産の可能性が出てきますし、お腹が圧迫され、ただでさえむくみや高血圧に気をつけたい時期なので注意が必要です。
また、自転車や車の運転も避けたほうがいいでしょう。妊娠後期になると、下半身が目視できないほどお腹が出っ張り、いつもより足元が見えずらくなるため、怪我をしたりしやすいのです。
車の運転も控えたほうがいいの?買い物の移動とかで使いたいから困るんだけどな…。
車の運転も、できれば控えたほうがいいですが、どうしても運転しなければならない場合は、できるだけゆっくりと安全運転を心がけましょう。
背伸びをして高いものを取ったり、脚立などに登るのも危険が伴いますので、注意しましょう。また、妊娠後期に美容院などもいくことはできますが、カットやパーマなどは長時間同じ姿勢でいなければなりません。
また、妊娠中は皮膚も敏感になっているので、薬液を使ったメニューは、頭皮に痛みを感じてしまうことがあるかもしれないので控えることをおすすめします。
産後の正しい過ごし方と基礎知識
産後はまず安静に!徐々に元の生活に戻す
出産後、家に赤ちゃんと帰宅してからは、また新しい生活の始まりです。おうちの片付けをしたり、食事を作ったりと、これからは生まれた赤ちゃんとの生活で、忙しくなるでしょう。
出産した後には家事に加えて、赤ちゃんのミルクや夜泣きなどもあり、熟睡できる時間も限られてくるかもしれません。出産前に色々準備していたことも、初めての出産の場合は特に、大変に思うことが沢山あるはずです。
しかし、産後のお母さんがしなければならないのは、これから赤ちゃんに授乳するための、栄養バランスの整った食事を摂ることと、しっかりと体を休めて、身体を回復させることです。
出産時の出血なども影響して一時的に貧血状態になる場合もあり、貧血の症状が続けば、鉄剤を処方されることもあるでしょう。
出産後の6~8週の「産褥期」と呼ばれる期間は、まだお母さんの体や子宮が万全に回復しているわけではなく、それに加えて睡眠不足や体の不調もある時期なのです。
この時期には体調だけでなく、精神的ストレスも加わるので、自分の身体と向き合って、休み時間を多く持ちましょう。疲れている時こそ、お父さんに協力してもらうことで、いいリレーションシップにもなるでしょう。
食生活(バランス良い食事+葉酸+DHA+その他)・睡眠・運動
厚生労働省は、出産後の食事について通常時より350キロカロリー多く摂取することを推奨しています。母乳育児によって、お母さんが食べている食事がそのまま赤ちゃんの食事に変わるので栄養バランスのとれた効率の良い食事をとりましょう。
出産前は赤ちゃんがお腹の中にいて一回に多くの食事をとれない分、沢山食べれると思うかもしれませんが、育児により十分な睡眠時間がとれないことなどにより、すぐに妊娠前の食事の量に戻るのは時間がかかる場合もあるでしょう。
そんな時には、食べ合わせによって栄養を上手に取り入れる方法がいいでしょう。
栄養を上手に取り入れるためにはどうしたらいいかな?
主食と野菜をメインにしたり、産後の便秘にお悩みのかたは、水分を多めに摂ることと根菜や海藻類などの食物繊維をとりましょう。
葉酸は産後も摂ることで細胞の再生を助けてくれる働きがありますので積極的に取り入れましょう。
出産をして体は軽くなったかもしれませんが、まだ体は万全ではないので、栄養たっぷりの手料理を作りたい気持ちもわかりますが、体を休めることとを意識して、たまには手抜きをしたりすることも許して、まずは体と赤ちゃんを優先していきましょう。
注意点
出産を終えて体は楽になっているはずでも、まだ体力や体のホルモンバランスに変化があるので、じっくり休養をとりながら、赤ちゃんのお世話をしたいものです。また産後の妊婦にちなんだ「床上げ」という言葉があります。
出産時の会陰切開や帝王切開などの傷や、産後の体をすぐに休ませることができるように、産後のお母さんの布団をしまわないようにしておくのは、短くても3週間だと言われています。
産後ということですぐに体を元に戻そうと運動を始めるママさんもいますが、激しい運動や無理なダイエットをするのは問題です。
最低でも1ヶ月は安静にしておくことで、心身ともに産後トラブルは軽減されるともいわれているので、早く回復するためにもう少しだけ辛抱しましょう。
また、産後にまとまってでる出血のことを悪露(おろ)といい、産後には胎盤が剥がれたところからの出血があるのです。
産後に出血することがあるんだ!体は大丈夫なの?
子宮復古といい、赤ちゃんが入っていた子宮が縮小して元の大きさに戻っていっているので、見た目は元気そうでも、体の中はまだ色々な変化を起こっているので無理をしないように心がけましょう。
まとめ
妊活の準備から妊娠、そして出産後までの身体の変化や、知っておきたい妊娠時期ごとの注意点を紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。妊娠してから妊婦さんの身体は、十月十日もの間、赤ちゃんと一心同体で過ごしていきます。
それだけ母親と子供は、絆が強くなるのも納得がいきます。妊娠初期のつわりなどの気持ち悪さ、またお腹の張りなどの症状に悩まされる方も多いでしょうが、全て生まれてくる赤ちゃんのためになると思って乗り切りましょう。
人それぞれ妊娠時に起こす症状も変わってくるので、いろいろな出産を経験した人の体験談を聞いてみたり、その人がやっていた解消法を試してみるのも良いでしょう。
体調がすぐれない時は、自然と気持ちも落ち込み、赤ちゃんがちゃんと育っているか不安になる時もあるでしょう。そんな時は、1人で抱え込まずに家族や、かかりつけの医師に相談することでひとつずつ不安を解消していけば良いのです。
誰もが初めての出産で、神経質になってしまうものですが、そんな不安をお腹にいる赤ちゃんも感じてしまうので、できるだけ自分にとって、居心地のいい環境作りをしていくことがとても大切になってきます。
- 妊活は妊娠しやすい体作りをするのが大切
- 妊活中に意識して摂りたい栄養素は「葉酸」
- 妊娠初期はホルモンバランスが乱れてくるので安静にする
- つわりがひどい場合は食べられるときに食べるのが大切
- 妊娠中期は感染症を起こさないように気をつける
- 安定期でも激しい運動は控える
- 妊娠後期は便秘になりやすいので「食物繊維」を摂る
- 妊娠後期はなるべく車の運転を避ける
- 産後は体力の回復を優先させる
- 産後のダイエットや運動には要注意